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【知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ】
ドイツ ~環境にやさしいヘンプ製品の先駆け~
- NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク 理事 赤星栄志
- 第6回 2018年04月26日
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技術大国ドイツで思い浮かぶのは、1450年にドイツ人のグーテンベルグが発明した活版印刷術である。当時の紙は原料にヘンプ衣服のボロ切れが使われていた。
このことから考えれば、ルターに始まる一連の宗教改革でもヘンプの紙を使った聖書をはじめとする印刷物なしでは語れない。ヘンプは石油製品が登場するまでは国(支配者)にとって重要な軍事資源だった。1800年代初頭にドイツを支配していたナポレオンにとっても、ロシアに戦争を仕掛けた理由の一つにロシア製の良質なヘンプ繊維の確保があったという。
ところが19世紀以降に石油産業が確立すると、ドイツ国内でもヘンプは細々と栽培される程度に激減してしまう。第二次世界大戦後は、64年に発効した麻薬単一条約の影響を受けて、82年に鳥の餌としての栽培を除いて全面的に禁止された。
こうしたヘンプの苦境を救ったのは、93年に発売されたマティアス・ブレッカース著の『ハンフ(Hanf)』だ。ハンフとはドイツ語でいう麻(英語:hemp)のことである。ドイツ国内でベストセラーになり、多くの人に農業的・工業的に有益な作物だと知られるようになった。94年時点ではイギリスとオランダで産業用ヘンプの栽培が解禁されており、欧州経済協力体(EUの前身)の低THC品種栽培基準(規則1164/89)と、ドイツ国内での栽培禁止法との間で矛盾が生じていた。そこで、ドイツ連邦を相手に栽培解禁を巡って訴訟を起こしたのは、いまやドイツ屈指のヘンプ販売会社に成長し、マティアス氏が経営に参画しているハンフハウス社である。96年に勝訴判決が下され、ドイツで産業用ヘンプ品種に限って栽培が解禁されることとなった。解禁後の栽培面積は500~2000haで推移している。
ところが19世紀以降に石油産業が確立すると、ドイツ国内でもヘンプは細々と栽培される程度に激減してしまう。第二次世界大戦後は、64年に発効した麻薬単一条約の影響を受けて、82年に鳥の餌としての栽培を除いて全面的に禁止された。
こうしたヘンプの苦境を救ったのは、93年に発売されたマティアス・ブレッカース著の『ハンフ(Hanf)』だ。ハンフとはドイツ語でいう麻(英語:hemp)のことである。ドイツ国内でベストセラーになり、多くの人に農業的・工業的に有益な作物だと知られるようになった。94年時点ではイギリスとオランダで産業用ヘンプの栽培が解禁されており、欧州経済協力体(EUの前身)の低THC品種栽培基準(規則1164/89)と、ドイツ国内での栽培禁止法との間で矛盾が生じていた。そこで、ドイツ連邦を相手に栽培解禁を巡って訴訟を起こしたのは、いまやドイツ屈指のヘンプ販売会社に成長し、マティアス氏が経営に参画しているハンフハウス社である。96年に勝訴判決が下され、ドイツで産業用ヘンプ品種に限って栽培が解禁されることとなった。解禁後の栽培面積は500~2000haで推移している。
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赤星栄志 アカホシヨシユキ
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク
理事
1974(昭和49)年、滋賀県生まれ。日本大学農獣医学部卒。同大学院より博士(環境科学)取得。学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て様々なバイオマス(生物資源)の研究開発事業に従事。現在、NPO法人ヘンプ製品普及協会理事、日本大学大学院総合科学研究所研究員など。主な著書に、『ヘンプ読本』(2006年 築地書館)、『大麻草解体新書』(2011年 明窓出版)など。 【WEBサイト:麻類作物研究センター】http://www.hemp-revo.net
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