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土門「辛」聞

「全農改革」にマーケットが突きつけた通知簿

この3月、全農は「『農林水産業・地域の活力創造プラン』に係る本会の取組状況について」(以下「取組状況」)を公表した。昨年4月の「生産資材事業・販売事業の実施具体策・年次計画」(以下「年次計画」)で自己改革への取り組みに対して1年経過した区切りでの中間総括となるものだ。「活力創造プラン」は、全農に改革を促すべく政府が2016年11月から12月にかけてまとめた文書で、「年次計画」は、それに沿って作成された。
全農らしいなと思ったのは、改革の名に値しないような小手先の取り組みを並べ立て、その総括について「ほぼ計画どおりに進捗」と自画自賛してきたことだ。彼らが示した根拠は、どれも裏付けが乏しく、説得力に欠けるものばかり。「取組状況」文書などを材料に全農が改革と称するものにマーケットの視点から通知簿をつけてやりたい。

肥料価格引き下げにはカラクリがあった

「取組状況」を読んで思わず首をひねってしまったのは、政府が強く求めた肥料価格の引き下げに「概ね1~3割の価格引き下げを実現」と回答してきた部分。全農の説明をどう分析しても、そのような引き下げが実現するとは思えない。主要部分を紹介する。
「入札によりメーカー数を14社33工場から8社13工場に削減、銘柄あたりの生産数量を約250tから約4000tに拡大し、製造固定費を引き下げ。供給範囲も全国一律からブロック単位に変更し、配送コストを圧縮。これらの結果、概ね1~3割の価格引き下げを実現。今後、普通化成一般、苦土入り高度化成へ対象品目拡大」
「取組状況」が示す根拠では、1割の引き下げですら実現は覚束ないと考えた。その前に、肥料製造のコスト構成を説明しておこう。手がかりになるのは、経産省が12年に実施した「化学肥料製造における実態調査」や、全農肥料部が10年前に作成した「系統における肥料事業の概要とコスト低減対策」と題した資料だ。いずれも最近の資料ではないが、そのコスト構成などは現在もほぼ同じだろう。これらを参考に作成したのが表1で、右の方に原価の区分けについて全農と商人系メーカーの違いを示しておいた。

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