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土門「辛」聞

「全農改革」にマーケットが突きつけた通知簿



直接販売と買取販売立ちはだかる問題点

全農は内弁慶的な組織体である。農産物を例にとると、身内の農協から農産物を集荷するのは得意だが、農産物をスーパーなどに販売するのはあまり得意ではない。農産物の販売となると、手数料を取って卸や卸売市場にお任せというスタイルを貫いてきた。手数料ピンハネ組織と揶揄された所以は、ここにあった。
その営業スタイルから脱却すべく、昨年の「年次計画」に直接販売の強化を盛り込んだ。卸などを通さなければ、価格面で有利な販売が可能となるし、実需者と向かい合えば、消費のニーズもいち早くつかむことができる。そんなことは全農も分かりきっていたことだが、何事も追い込まれてからようやく問題解決にとりかかるところは全農らしい。
同時に買取販売の強化も打ち出した。これの反対は委託販売。読んで字のごとく、農協から販売の委託を受けて、卸売市場へ投げる販売スタイルだ。いくらで売れようがそんなことには関係なく、全農にとって手数料だけ稼げるリスク・フリー商法だった。
一方の買取販売は、販売価格を提示して生産者から集荷することを指す。これだと在庫を抱えるリスクがつきまとうが、何をどう売るかの販売戦略が組み立てやすい。「年次計画」で、米穀と園芸の両分野で直接販売と買取販売の計画達成に向けての目標を立てた。
●米穀事業
実需者への直接販売を16年度見込みの80万tから、18年度に100万t(主食用米販売の47%)、19年度125万t(同62%)、24年度に主食用米販売の90%を直接販売に切り替える。買取販売の拡大は16年度見込みの2270億円から18年度2340億円、19年度2410億円。
「取組状況」の当該部分をチェックしてみたら、確かに数字は達成している。問題は、その中身だ。
直接販売は、系列の全農パールライスが扱う分に、昨年10月に業務提携したコメ卸大手の木徳神糧と共同で取り組んだ直接販売分なども上乗せして目標達成としたのであろう。
忘れてならないのは農協の動向だ。全農を通さない農協の直接販売が伸びてくることだ。全農を通すと、手数料・経費がかかり、しかも共同精算という経費もかかってくる。主に在庫処理の負担費で、1俵(60kg玄米)あたり600円ぐらいかかる。大きな農協なら数億円になる。農協が全農を通さず直接販売するのは、その共同精算による負担を避けるためだ。今後、全農が直接販売を増やすには、その共同精算にメスを入れることである。

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