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特集

コメ流通最新動向を読み解く


中堅中食業者によると、原料玄米の仕入れ価格が1kg当たり20円値上がりすると、おにぎり1個1円値上げしなければならないが、これが通らないと年間収益で1800万円の損失になるとしている。
弁当ではごはんの量を減らすことはもとより、なかにはごはんの使用を止め、代わりにパスタを使用したパスタ弁当にしたところもあるほどだという。また、別の中食業者によれば、これまでシャリの大きさを売りにしていた回転寿司チェーンが1個24gであったものを21gにしたという。
中食業界はごはんの量を減らすことを“節米”と呼んでいるが、この節米が由々しきことになっている。
表3は米穀機構が毎月公表している1人1カ月当たりの精米消費量の推移を示したものだが、消費の内訳として家庭で消費した量と中食・外食で消費した量が出ている。驚くべきことに、中食・外食で消費される量は昨年4月から毎月のように前年同月を下回っており、直近の今年2月は前年同月を9.2%も下回っている。中食団体で組織される国産米使用推進団体協議会は、ことあるごとに「米価が上がるとコメ消費が減少する」と懸念を表明していたが、まさにその通りになっている。
このことは、農水省が毎月発表している相対取引数量にもはっきりと出ている。今年2月の相対取引数量は前年同月に比べ8万9311t、率にして32%も少ない18万8649tに落ち込んだ。

【30年産主食用米生産増加 早期米の事前契約進む】

これらのことを整理してみると4月にコメの市場取引価格が下落した要因が見えてくる。
第一はコメの価格が上昇したことにより、中食・外食業界を中心にコメの消費量が減少したこと。これに加え国内のコメ価格が上昇したことでSBS入札で外国産米の輸入が採算ベースに乗り、29年度は3月末の5回の入札で予定枠の10万tが全て落札された。一般枠で入札された外国産米の落札価格は1kg当たり130円台から190円台で市中では200円から210円程度で売り買いされたが、それでも国産米より精米1kg当たり100円ほど安く、外国産米を使用する中食・外食企業が増えた。そればかりか豪州はコシヒカリにより近いという新品種「うららか」のお披露目式を流通業者や中食・外食業者を招いて大使館で盛大に行なった。また、量販店のなかには西友がうららかを4kg1180円で販売するところも現れた。
要するに外国産米流入でそのぶん国産米の需要が食われたのだ。消費の減少と外国産米流入により足りないはずであった29年産米が余ってきたのだ。

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