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特集

コメ流通最新動向を読み解く


大潟村農協が主導する形で打ち出された方向性は、収益確保のためのタマネギの生産と加工用もち米の生産を減らし、主食用多収穫米の生産を増やすという方向である。
タマネギの生産は機械化作業が可能になったことから秋まきで一気に29?ha作付けした。この作付作業を請け負ったのは、NECや三井住友銀行が出資して設立された農業生産法人みらい共創ファーム秋田である。大潟村農協は国の助成を受け、村内に6億円を投資してタマネギの乾燥施設も作り、今年は120haまで作付面積を拡大する方針。
多収穫米生産では、豊田通商がハイブリッド種「とうごう」や三井化学が短稈多収品種「つくばSD」などを試験栽培してきたほか、秋田県農業試験場が育種した複数の多収品種を試験的に栽培してきた。主食用米の価格が3年連続して値上がりしたことや大潟村農協の主催で昨年末、消費地の卸や商社を招いて「業務用米マッチング商談会」を開催したことなどもあって事前契約という形で主食用多収品種の作付けが大幅に増える見通しで、そのぶん加工用もち米の作付けが減少すると見込まれている。
30年産で多収穫米が増えるのは大潟村だけではない。農水省は昨年からコメの生産は上級銘柄が増え、低価格のいわゆる業務用米が不足しているという“ミスマッチ”が起きていると盛んに喧伝、多収穫米の生産を増やすように働きかけていたので新潟県でも大規模稲作生産者を中心に、コシヒカリから多収品種へ作付けを蹴る生産者が増えた。米穀業者の集まりでは、こうした傾向は全国的で「多収穫米生産拡大で30年産米の生産量は前年より20%ぐらい増加するのではないか」とみる業者もいるほど。
多収穫米の生産が増えてもそれらが政府備蓄米や加工用米もしくは輸出に回れば国内でダブつくことはなくなるのだが、現状はそうはなっていない。

【農水省は輸出用米に活路 産地交付金は青天井】

政策面から30年産の動向を占うと、一番目に来るのが30年産政府備蓄米の落札状況である。
今年1月25日に実施された第1回の入札から4月24日の第5回まで行なわれたが、累計落札数量は11万7582tで予定枠の20万tの約半分に留まっている。
こうした結果になっている原因は、第一に29年産まで政府備蓄米についても転作を実施したと見なし10a当たり7500円の直接支払い助成金が支払われたが、30年産から7500円はなくなる。そのぶん、政府備蓄米の買入単価が引き上げられれば良いのだが、応札業者の情報では60kg当たり1万3000円が落札できる目途になっており、この価格で応札する農協や生産者は限られている。

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