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【農業技術進化系】
北海道のテンサイ生産者は除草の悩みから解放されるか
- 第20回 2018年05月30日
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ドイツのKWS(クラインワンツレーベン)種子(株)が開発したテンサイの新系統「KWS 8K879」は、広い殺草スペクトルを持つ除草剤に対して抵抗性を持つ。従来、このような特性を持つ作物は、遺伝子組換え技術で育成されてきた。しかし、遺伝子組換え作物は、安全性や生物多様性への影響を考慮して規制されているため、我が国では一般栽培は難しい状況にある。一方、「KWS 8K879」は、「非」遺伝子組換え技術によって育成されたもので、規制の適用対象外であることから、国内で栽培することに法的な壁はない。耐病性や収量性などに改善の余地があるが、これらの課題がクリアされれば、北海道農作物優良品種(以下、優良品種)の認定も現実味を帯びてくる。現在、試験を受託している地方独立行政法人北海道立総合研究機構(以下、道総研)農業研究本部北見農業試験場(以下、北見農試)に、「KWS 8K879」の特徴と課題、今後の見通しを聞いた。 (文/平井ゆか)
取材対応/研究部地域技術グループ研究主査 池谷聡、同研究主幹 田中静幸
ドイツのKWSが育成したテンサイ「KWS 8K879」は、広い殺草スペクトルを持つ新規除草剤に抵抗性を持つ品種として開発された。
昨年、日本甜菜製糖(株)(以下、日甜)がKWSから「KWS 8K879」を輸入し、「てん菜輸入品種検定試験」の予備試験を経て、今年、(一社)北海道てん菜協会から試験を受託した北見農試が本試験を始めた。
本試験に先立って昨年行なわれた予備試験では、対象となる新規除草剤は、テンサイ栽培の障害となる広葉の雑草からイネ科までの広い殺草スペクトルを持ち、高い効果を発揮しながらも、「KWS 8K879」自体にはほとんど影響を与えないことが確認された。なお、KWSの試験では、20種類以上の殺草スペクトルが報告されている。
取材対応/研究部地域技術グループ研究主査 池谷聡、同研究主幹 田中静幸
法的な規制をクリア
ドイツのKWSが育成したテンサイ「KWS 8K879」は、広い殺草スペクトルを持つ新規除草剤に抵抗性を持つ品種として開発された。
昨年、日本甜菜製糖(株)(以下、日甜)がKWSから「KWS 8K879」を輸入し、「てん菜輸入品種検定試験」の予備試験を経て、今年、(一社)北海道てん菜協会から試験を受託した北見農試が本試験を始めた。
本試験に先立って昨年行なわれた予備試験では、対象となる新規除草剤は、テンサイ栽培の障害となる広葉の雑草からイネ科までの広い殺草スペクトルを持ち、高い効果を発揮しながらも、「KWS 8K879」自体にはほとんど影響を与えないことが確認された。なお、KWSの試験では、20種類以上の殺草スペクトルが報告されている。
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