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土門「辛」聞

農林中金の利払い圧縮は農協経営にどう影響するか

日本経済新聞の4月27日付け朝刊が1面準トップで報じた「農林中金、JAへの利払い圧縮へ 四半世紀ぶり改革」の記事。今後の農協経営につながる重要なポイントを含んでいるのに、「利払い圧縮」の予告以外は読むに値しない内容だった。
経済専門紙と名乗っているのに農林中央金庫の都道府県信連や地域農協などに対する預金につく金利の仕組みについて理解したうえで書いているとは思えない。率直な読後感は、農林中金のニュースリリースの予告版を読まされたみたいだった。
噴飯物は、これに関連して経済欄(5頁目)に掲載した「646農協 再編加速化も」のサイド記事だ。
一読して、「利払い圧縮」を誰がリークしたのかがすぐに分かる内容で、「利払い圧縮」の負担を信連や農協などに押しつける意図がすぐ読み取れた。いきなり紙面審査会みたいになったが、筆者なりに考えた「利払い圧縮」が農協経営に与える影響を探ってみたい。
リークの主は、農林中金関係者に違いない。状況証拠はある。その記事のちょうど1カ月前、3月27日付け農業協同組合新聞ネット版が「利払い圧縮」を予告する記事を掲載していたことだ。農協グループの研修会「新世紀JA研究会 課題別セミナー」を伝える記事の中。そのリード部分で「30年度は農林中金からの奨励金が削減される可能性が高く、より厳しい対応を求められます」と書いている。農林中金が、この場を使って「利払い圧縮」の観測気球を揚げてきたのであろう。
農協組合長らが参加する新世紀JA研究会は、農協役職員同士で情報交換や課題の共有を行ない、会員相互の研鑽を目指す真面目な勉強会である。役員一覧表を拝見すると、農協系統のオピニオン・リーダー的な農協関係者の集まりであることが何となく分かる。
その日研修会の講師は農林中金総合研究所の古江晋也主任研究員だった。「利払い圧縮」に触れた記述部分は、講師の直接話法では書かれていないが、古江講師がその場で明らかにしたことに間違いない。残念ながら「利払い圧縮」の話題が出たときに、当日の参加者がどのような反応を示したかは何も触れていない。

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