ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

土門「辛」聞

農林中金の利払い圧縮は農協経営にどう影響するか


ちなみにJAみな穂の組合員への貸出は資金運用の1割しかなかった。これで得た利息は2億円だ。利回りは2.06%になる。資金運用額全体の利息収入は7億4000万円だから、1割の運用資金で利息の3割近くを稼ぎ出す。常識では貸出を伸ばした方が農協経営にプラスのはずだが、それが能力的にも制度的にもできない。農林中金へ預金すればノー・リスクで0.6%程度の利回りが保証されるので、貸出を増やそうという考えにもならないようだ。思わず補助金漬けで意欲を失ってしまう農家をイメージしてしまった。
この農協を選んだことは正解だった。富山県にあった信用農業協同組合(信連)は、04年に農林中金と統合しているので、県内の農協は農林中金と直接結びつくことになった。農林中金の方針がストレートに伝わるので、「利払い圧縮」の影響を正確に探ることができるからだ。

経営戦略ツールとして使われるプレミアム金利

日経新聞の記事を読んでいて混乱するのは、農林中金に預ける預金につく利息の仕組みだろう。記事は、「『奨励金』と呼ばれる預金金利」と書いているが、正確には、通常の利息分があって、これに奨励金がつくのだ。その名の通り、金融情勢や農林中金を取り巻く経営環境によってつくプレミアム金利のことである。たとえば農林中金が、運用のため資金量を増やしたいと思えば、奨励金を増やしたりするのだ。
JAみな穂のディスクロージャー誌にも、資金運用収支勘定の項目に、「(農林中金への)預金には、農林中金からの事業分量配当金等が含まれています」という注釈がある。
事業分量配当金とは、この場合は、預け入れ額に応じてつける配当のこと。ここから浮かび上がってくるのは、本来の利息のようなものにプレミアム金利を上乗せした重層構造になっていることである。その上乗せ部分は、他の農協のディスクロージャー誌には、「奨励金など」と書いた表現もあった。
ところが滋賀県信連のディスクロージャー誌には、資金運用収益の説明で「『うち預け金利息』には、受取奨励金及び受取特別配当金が含まれています」という記述がある。これに従えば、通常の利息が1階部分とすれば、2、3階部分に「受取奨励金」や、出資配当の一つ「受取特別配当金」があると受け取れる。
ここで整理すると、一般的に奨励金と呼ばれる預金に対する金利は、甲種・乙種という種類があるようだ。甲種は、信連なり農協が預けてよい預金に対して支払われる奨励金。乙種はそれを超えた預金につく奨励金だ。金利の高低ということでは前者が高い。ただ具体的な数字は分からない。これに加えて運用実績に応じた特別配当もある。これは出資配当とは違う性格のものである。

関連記事

powered by weblio