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今年の市場相場を読む

冬に美味しいはずの野菜類は? ネギ/ホウレンソウ/ニラ/ナノハナ


ホウレンソウ 高値で減る夏場の出荷。ますます増える寒締め生産

【概況】
東京市場のホウレンソウの入荷は、07年と17年を比べると数量で22%減、単価は26%高くなった。ホウレンソウの単価は、7月から10月まで夏場の産地で生産される夏ホウレンソウは入荷も少なく単価も平均価格の倍近くする。10月も下旬に向かっていくと、寒さも増しホウレンソウのシーズンが始まる。ただし、17年11月から今年2月くらいまでの野菜高騰で、17年の入荷や単価など統計は、本来、対比するには適当な年ではない。
【背景】
冬に美味しい野菜の代表格であるホウレンソウは、近年寒締めが評価されるようになった。登場した当時は、その甘さは評価されたものの、ロゼッタ状という特異な形や泥付きなどが懸念されていたが、いまでは通常栽培のものを寒に当てることで同様の食味が確保できるようになり、相場もやや強含みで推移する。ただしホウレンソウは、冬場はとくに通年で1位の群馬をはじめ、北関東の5県の近郊産地から出荷されるため、単価からは見分けられない。
【今後の対応】
冬に美味しいホウレンソウは、単価は高くても夏場には、彩りに使う程度の別の野菜だ。寒さは野菜にグルタミン酸を増やす効果がある。ホウレンソウの寒締めがきっかけになって、雪国では「雪下」野菜が注目されるようになり、「寒締め野菜類」としての研究もあって品目も拡大し、霜降りハクサイなどの新しいブランディングの事例も増えた。夏ホウレンソウが減少して、冬場の美味しいホウレンソウが増える現状は、正しい方向にある。

ニラ 12%減程度でも56%単価高。出荷ロットの大型化を

【概況】
東京市場におけるニラの入荷は、07年対17年では数量で12%減ながら単価は56%も高くなった。17年では栃木の36%、茨城の27%と次いで高知が12%、ともに周年出荷産地だ。10年で12%程度の減少であれば、野菜全体の生産出荷推移とシンクロしているが、56%も高くなったというのは尋常ではない。今年初めの野菜高値時には17年対比で15%減って、単価はさらに34%高い。17年11月には単価が10年対比で2倍だった。
【背景】
ニラは、暑さ対策のためのスタミナ野菜的な扱いをされるが、本来の旬は冬である。昔は一般家庭でも何株かのニラを作っており、伸びてきたら切って食べ、その後また伸びたら切るという便利な野菜だった。冬は伸びが遅いが食べたら美味しかったものだ。いまニラは周年出荷する産地が上位を占めており、全体の入荷ピークは、スタミナ需要のある春から夏まで。しかし、主産地の栃木からの入荷は、1~3月期では47%と半分近いシェアだ。

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