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イベントレポート

土を考える会


皆さんも土壌図を開いて、圃場の土質を調べた経験があると思うが、実際に掘ってみるとその分類と一致しないことはよくあるそうだ。農地の場合は、基盤整備等で圃場を造成した際に切土や盛土をしているからだ。作土層は資材の投入や作物の生育、耕うん方法によっても長い時間をかけて変化する。そうした状況が土壌断面に表れてくるという。
今回は100mほど離れた2つの圃場に穴を掘り、それぞれモノリスを採取した。いずれも灰色低地土だが、水田土壌にしてはグライ反応が見られなかった。赤く見える鉄の表れ方から、河川の氾濫等で水が浸水したり引いたりする速さを予測したり、マンガンや硫黄が染み出てくる理由を探ったり、土壌がどのように生成したのかを知ることが目的である。研究者にとっては、土壌図を更新する材料となり、農業者にとっては、耕うん方法や水の動かし方を考えるヒントになり得る。
2日目は総会を開催した後、農研機構・農業環境変動センターの岩崎亘典氏から「日本土壌インベントリー」と「e-土壌図II」の利用方法についての説明を受けた。スマートフォン用のアプリも用意されていて、日本に分布する土壌の種類を調べることも可能だ。さらに大倉氏から土壌分類の講義を受け、まさに土を考える研修会となった。 (加藤祐子)

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