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新・農業経営者ルポ

ソバージュ栽培トマト界のキング、ここに見参


最初からこの品目なら絶対に行けるという確信がなく、借りられた80?aの面積に200品目の野菜を植えてみることにした。幸運にも市内に苗農家がおり、余りを安く譲ってもらえる環境にあった。ただ、周囲に誰も詳しい人が存在せず、2年目までは風土的に何が合うのか、自らテストする日々が続いた。
売り先を確保してからのスタートではなかったため、1年目はマルシェに積極的に顔を出したり、知り合いに声をかけたり、飲食店に飛び込み営業で押し売りしたりとがむしゃらに走り回った。得るものもあったが、肝心の売り上げが恐ろしいほどになかった。貯金も3年目に入ると底を突きそうになった。
このままではいけないとマルシェへの参加は付き合いで年に何回か顔を出すだけに抑えるとともに、無駄の多かった少量多品目路線を取りやめ、小規模ながら大量生産に完全に切り替える。
「このときはあらかじめ商談したうえで動き出しました。出荷先は1、2年目に細々と取引していた業者です。1年目とかに収穫前に話を持ちかけてもモノがないので、相手にされないことが結構ありました。結果論になりますけど、その下地を作るための2年間だったといえます」
主力となるズッキーニは、じつは200品目のなかに含まれていなかった。ではなぜ、それを手がけたのかといえば、本人曰く、近所で作っている人を見て自分でもできそうだと思ったからにほかならない。
その栽培だが、予想以上の収穫量で泣く泣く廃棄する羽目になった。金額にしたら相当なものだ。B品の流通を含め、価格調整や直売所への配分を増やして在庫の圧縮を図った。一時的に市場出荷や大量にさばいてくれる業者に救いの手を求めたりもした。
いずれにしても、現在もズッキーニは経営の中心に据えており、ズッキーニ、オクラ、秋採りズッキーニが3本柱になっている。オクラは最初の2年間で手応えをつかんだものだ。
ズッキーニは生育期の最高気温が30℃を超えてくると、花が飛んだり、奇形果が増えるのだという。人によっては収穫可能なうちは手をつけるようだが、鎌塚はすっぱりと打ち切る。規模的な問題でいまは端境期を狙った生産に関してもあまり興味を持っていない。他作物にも通じるキーワードは効率性だった。

効率的に低コストで生産するソバージュ栽培トマト

鎌塚は、就農2年目の14年からトマトのソバージュ栽培に取り組んでいる。「ソバージュ」とは野生的という意味で、文字どおり、トマトを野生的に育てる栽培方法を指す。トマトといえば、設備投資が必要で、手間をかけて高収益を得るのが一般的だが、このソバージュ栽培は極力設備投資を少なくし、省力化することによって低コストで高収益を目指すものだ。

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