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特集

農業研修―企業が注目する人材育成効果


農業現場の場合は、マネジメントやチームビルディングなど。初めて管理職になる人の研修として、どう部下の才能を引き出すか。新入社員の研修として、仕事とは何か、どう結束を固めるか。また、自発的な人材を育成したいという要望もある。なかには、根性論で、ひたすら肉体労働を課したいという場合もある。
企業が求める人材も一律ではないという。協調性があり、やれと言われたことをやる人なのか、自発的にクリエイティブな仕事ができる人なのか。
こういったさまざまな要望に合わせて、それぞれ研修の内容を変えている。研修プログラムはかなりの時間をかけてつくり込む。その企業がどんな企業なのかリサーチすることから始め、担当者と話し合い、目的や求める人材像を把握する。
そのうえで、テキストを作成する。希望があれば、レポートをまとめて企業に渡す作業も請け負っている。ときには、近隣の研修会議室や宿泊場所、食事の紹介もしている。
「新人研修の依頼が多い。これからビジネスマン人生を始める大事な時期です。お金を払ってまで時間を費やしてもらうので、責任を持って研修を準備したいと思っています」
参加者からは、「苦手な上司と仲良くなれた」「自分で考えて動くことの大切さを学んだ」「同期の人たちとのチームビルディングにつながった」といった反応がある。
研修は、事業として行なっているので、その対価はきちんといただく。基本的には研修時間6時間が1単位。いちばん多いのは、座学を入れて6時間の日帰りプログラムだが、1泊2日、2泊3日、いちばん長いのでは4泊5日というケースもある。1グループ、10名から50名まで対応。1人90分当たり5000円に人数と研修時間を掛けた料金が研修費の総額になる。研修に使う圃場は、えと菜園の一部なので、圃場の使用料も含まれている。
「農業と研修受け入れは、分けたほうがよいと考えています。研修では、その企業のニーズに合わせて、プログラムを作成することを大切にしている。私たち農業者は、野菜を売っていますが、企業の農業研修を受ける場合は、企業に農業をツールとしてプログラムを売るという考え方で、企業のお役に立てるようなプログラムの構築に力を入れています」
農業現場が、企業の研修を受け入れるのはハードルが高そうだ。
「農業者の皆さんは、私よりずっと農業について詳しい方々なので、3つのポイントを押さえれば、企業の研修はできると思います。1つめは、研修においての商品は、野菜ではなく、プログラムだということを心に置いておく。2つめに、プログラムは、その農場がお持ちの知識や設備、長所が活かされる形で構築していくと良い。3つめは、ご依頼くださった企業のニーズと向き合ったうえでプログラムを提供するとさらにいい研修になる。農繁期以外でしたら(笑)、微力ながら農作業を活用したプログラムを構築するお手伝いなども業務として請け負わせていただくことも可能です」

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