ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

特集

農業研修―企業が注目する人材育成効果



【農の力を社会に活かす信念が源】

小島氏は、冒頭で紹介した「農スクール」にも力を注いでいる。その原点は、幼少期に、テレビのドキュメンタリー番組を見て、海外の食糧難の人たちに食べさせてあげたいと思ったことである。
「農業は、世の中の大概のことを解決できると思います」
「農スクール」では、ホームレスの人たちの社会復帰に加え、障害を持った人、引きこもりになってしまった人、仕事で鬱になってしまった人などを支援している。そうやって少しずつ社会復帰の道を開いているのである。農業を仕事にしたいと思った人は、人手が欲しい農業者に紹介し、一緒に仕事をしてもらう。
「彼らは、一時的に働けない状態にいるだけで、得意なことを持っている。それを一緒に見つけるのが仕事です。現代は、多様性を認めず、排除しようとします。でも、能力に気づきさえすれば、その人の人生が変わります」
これまでに、「農スクール」から、31人が就職した。就職した人のなかには、大勢とコミュニケーションをとることが苦手でも、上司1人だけの牛舎という職場で、うまくいった人もいる。そこで、他の人よりも牛の体調の変化に気づきやすいといった能力を発揮している。
「野菜づくりとか、通販とか、研修と
か、農スクールとか、いろいろやっていますが、私の根底にあるのは、農で誰もが幸せになるという考えです」
人々、ひいては、社会の幸せのために農の力を活かそうという信念が、企業の人材教育にもつながっている。

◆(株)えと菜園 無農薬野菜生産・販売、農作業を活用した企業研修、農福連携導入サポート、貸し農園・体験農園の運営、野菜づくりセミナーの開催、直売所運営。生産と体験農園を含め1.5ha。
◆小島希世子氏(代表取締役) 1978年、熊本県生まれ。慶應義塾大学卒業後、企業に就職。退職後、独立し、2009年に会社設立。11年、体験農園のコトモファームを始める。現在、えと菜園の経営のほか、NPO法人農スクールの代表を務める。研修の受け入れのほか、企業や大学で、農業、起業、農福連携などについて講演を行なっている。

Case2 取引先からの研修受け入れ 生産者の思いを知ってほしい 深夜収穫で農家の姿勢を見せる

古原 和哉(長野県川上村、レタス生産者)

取引先に品質へのこだわりを理解してもらう―。長野県川上村でレタスを生産する古原和哉氏は、青果物流通業・(株)まつのの従業員研修を受け入れている。研修の内容は、一緒にレタスの収穫をすることだ。まつのが期待していることも理解したうえで、古原氏は、研修時にどんな姿を見せ、何を伝えているのか。

関連記事

powered by weblio