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特集

農業研修―企業が注目する人材育成効果


か、どんな目的で、どんなプログラム内容にするかカスタマイズすることにした。また、新人研修だけではなく、マネージャーも対象にすることにした。農業をしていれば自然と必要になるチームビルディングは、リーダー研修にも向いていると考えたからだ。
基本プログラムは、地域の担当の農業技術普及員に頼んで人を集めてもらって試し、課題も洗い出した。しかし、企業の声を聞くうちに、ある発見があった。
「じつは、企業には、プログラムの中身を詳細に伝えるより、研修が果たすわかりやすい効果のほうが重要だということです」
企業からは、人材の定着率につなげたい、社員のモチベーションを保ちたい、ハードワークを通して精神を鍛えたいといった声が聞かれる。あらゆる要望を効果としてカタチにすることは容易ではない。農業者であって人材育成のプロではないからだ。企業側の目的に沿った人材教育をするという点においては、突き詰めれば専門性に欠ける。
「我々は、あくまで農業のプロとしての仕事を伝えることに徹して、人材育成の視点は、プロに任せてコラボレーションしようと思います。そうやって、より研修効果の高いプログラムをつくっていきたい。企業には、『体感型の新たな人材育成プログラム』として取り入れてほしい。まずは、モニター募集もしながら、広くこの取り組みを知ってもらいたいと思います」
代表の西阪氏は、水田氏の発案と奮闘を支えながら、次のように話
した。
「研修専用のハウス2棟を建ててほしいと言われたときは驚きました。でも、これが成功すれば、農園のひとつの柱の事業になると思っています」

◆西阪農園 キクナ、コマツナ、ミズナ、ホウレンソウ、シロナの土耕栽培。ハウス22棟、露地60a。年商約1,500万円。従業員は代表本人、妻、母、社員1人、パート1人。
◆西阪和正氏(代表)1987年、大阪府貝塚市生まれ。江戸時代から続く先祖代々の土地を父から受け継ぎ、20歳で農業を始める。水田達也氏(従業員)2015年、携帯電話会社から西阪農園に転職。代表の西阪氏は、水田氏のひと回り年下。2人は周りの人から「いいコンビ」と称されている。

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