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実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!

農村社会と集落の話(3)地域ブランドの特産品VS農場ブランド


では、そもそも強烈な特産品のある地域とない地域があるのはどうしてなのか。農村社会的に考えてみよう。一つにはやはり経済的な豊かさや利便の良さが影響しているのではないだろうか。たとえば、大都市・東京にもいろいろな名産品があると思うが、100人が100人同じものを指さない。経済が豊かで物流が盛んな土地柄では、一つの産品に特化するより、多様なものが作られ、持ち込まれてなんでも揃うようになるからだ。都市に隣接する田舎も同じで、誰もが認める特産品が生まれにくい土壌を生み出していると私は考えている。
また、工業原料や直接消費者に販売しない品目は原産地表示を押し出した販売方法を取らない。知名度で商売をしていないものについては、特産品と銘打たないものもある。 
一方で、強烈な特産品の代表格には前述の「夕張メロン」が該当するだろう。贈答用にも付加価値を見いだしている。私が暮らす栗山町は近所で、夕張メロンの商標を取る以前には我が家でも同じ品種のメロンを20年ほど作付けしていた。祖父は、夕張でメロンを作っている親戚の農家に作り方を習い、私も連れられてそこへ出かけたことを覚えている。
夕張は中山間地に位置し、土地利用型の作物を大面積で展開するには無理な土地柄である。必然的に野菜を主体とした農業が営まれていたが、規模を拡大できずに平均所得が上がらなかった。その状況を何とか打開すべく、農業者が普及員らと一緒に取り組んだのがメロンづくりだった。産地づくりの原動力は、生活を豊かにしたいという切実な思いで、苦しいときこそみんなで特産品を見いだすというやり方は、経営改善の王道である。それを農村ぐるみでやってのけたというわけだ。
もう一つの事例は、普及員時代に担当した北海道当麻町の特産品の「でんすけすいか」だ。当麻町は道内では有数の米どころで、盆地に広がる水田地帯を担当していたのだが、複合経営に取り組む農家にスイカの作り方を教えてもらった。米価の低迷と減反による生産調整を受けて、コメづくりだけでは食べていけないという思いから、農協青年部が当時のスイカ栽培の常識を覆す高級スイカの栽培を目指したのだ。
夕張メロンと共通するのは商品力が極めて高いことと、新たに特産品づくりを目指した理由が地域の農業所得の向上を図るためという点である。特産品としての地位を確立することで地元の地域経済が潤い、農村の経営改善に役立っている。 

地域ブランドに関わるメリットとデメリット

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