ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

新・農業経営者ルポ

複合経営とブランド豚に込めたプライド


「さくら豚」のブランド化は、あるとき、JAめまんべつの畜産課の担当職員の言葉がきっかけだった。
「後藤さんちの豚肉は美味しいね」
それまで、種豚以外の雄豚や雌豚を、精肉用に一般の豚の同じ値段で出荷していたが、その言葉を聞いて、後藤はその言葉ではたと気づいた。
「デュロック種を、三元豚とは異なる、変わっている豚だということを価値として販売しよう」
ここで、少し豚の品種について説明しておこう。日本で流通している豚は、三元豚が主流である。三元豚とは、繁殖性の優れたランドレース種と大ヨークシャー種を掛け合わせた交配豚を母豚とし、種雄として肉質の優れたデュロック種を掛け合わせた交配豚である。
後藤農場から直接出荷される豚は、母豚もデュロック種なので、三元豚とは異なるデュロック「純」種の豚肉ということになる。
「三元豚に比べると繁殖性の成績は悪いですが、デュロック種は、もともと肉質が優れています。脂身に甘みがあってさっぱりしていると評価してもらっています」
その後、2011年と12年の2年間、東京農大オホーツクものづくり・ビジネス地域創成塾という夜間大学に通い、商品の企画から加工、経営などを学んだ。
「種豚の出荷や、精肉としての販売だけではなく、『さくら豚』の商品開発をしようと思うきっかけになりました」
後藤農場のさくら豚の評判が高まってくると、大空町のブランド商品にしようという話が持ち上がった。2012年には、JAめまんべつが「さくら豚」として商標登録し、晴れてさくら豚は大空町のブランド商品になった。さくら豚の条件は、種雄として後藤農場のデュロック種(当初はサクラ201、現在はユメサクラエース)を使っていて、大空町で肥育されていることだ。現在、5軒ほどの養豚農家がさくら豚を出荷している。
後藤農場からは、一次加工の会社を通し、飲食店向けの精肉用として販売しているほか、加工会社と一緒に開発した餃子とジンギスカンを販売している。また、(一財)めまんべつ産業開発公社も、「さくら豚」の豚串や味噌漬けなどの加工品を開発し、道の駅メルヘンの丘めまんべつ、ネットショップ、空港などで販売している。
ここで疑問がわいてくる。デュロック「純」種ということで売り出した、後藤農場の特権はどこにいったのだろう。
「農協が、地域のブランドづくりが必要だと考えてくれたのだと思います。私も、『さくら豚』が地元の生産物として広まって、地域に貢献できればいいと思っています」

関連記事

powered by weblio