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特集

日本の農業に欠かせない3つの発想


(1)明確なビジョンと目標の設定
(2)結果としての長期的かつ持続的成長
(3)そのための連鎖的な打ち手の構想、戦略的な農工一体の求める「ビジョン」
農工一体の求めるビジョンは「顧客(消費者=地域住民)の期待する価値を適正な価格で提供する」ということに他ならない。そしてこのビジョンを加工業者だけでなく農業生産者もが共有することが「一体」を実現することに直結する。
えてして農業生産者は顧客価値と無縁の環境で仕事をすることが許されている。農協組織に農産物のサプライチェーンの運営を全面的にゆだねる環境ではそうした事態は避けられない。
農協は生産物の品質規格を明確にしたり、その規格に応じて価格を決定することには積極的に取り組まない。すべての組合員は平等に扱われなければならないという組織原則が前提となっているからだ。ゆえに全組合員の生産物は一つのサイロに混合され品質は度外視して「平等」に扱われる。

顧客の要求に基づく品質規格
しかし農工一体では加工業者は原料となる農産物の品質規格を明確に設定する。そしてこの品質規格に応じて農産物の格付けを行なう。この格付けに応じて農産物の価格が決まることになる。
ところで農産物の品質規格は次の二つの要求に基づいて設定される。
(1)顧客の要求に由来する加工品の品質
(2)加工工程の農産物の歩留まり極大化要求に由来する品質
二番目の農産物の歩留まり極大化は加工品の価格に影響するので、これも間接的に顧客の要求に基づく品質と考えることができる。
さて加工品の品質は顧客の要求に基づいて決定される。加工業者は顧客の要求に常に耳を傾け、顧客の期待を超える品質を実現すべく継続的な改善活動を展開する。
そしてこの加工品の品質はそのほとんど主原料となる農産物の品質によって決まってしまう。したがって加工業者は加工品の品質が農産物のどのような品質によって影響されるかを分析・追求して、農産物の品質規格を設定することになる。

品質はバラつく
農産物の品質は安定しない。そのバラつきは大きい。したがって品質規格も一定の幅を設けて設定せざるを得ない。加工品の品質に影響する農産物の品質であれば顧客の許容範囲を前提に品質規格が設定されることになる。その許容範囲を逸脱したものは規格外品になり、取引の系外に出され家畜の飼料に供されることになる。
規格内品は段階的にたとえばS、A、B、Cなどに区分され、それに応じた価格が設定される。

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