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農業は先進国型産業になった!

外国人実習生の現地ルポ 実態と課題と展望 第4回 搾乳ロボット導入でデータ化 経営トータルの改革 栃木県那須塩原市青木地区


搾乳ロボットの導入はどのような効果を持ったか。眞嶋氏の経営は、経産牛130頭(うち搾乳牛100~110頭)、育成80頭、和牛30頭、圃場15haである。最近6次産業化した(手作りパン、これからチーズも)。総売上高は1億8000万円。今のところ、雇用量に変化はない。従業員は4人(常雇2人)+パート3人(月2~3回2人、常雇1人)であるが、ロボット導入の前も後も同じだ。外国人実習生はいない。
しかし、変化は出ている。パーラー方式(10頭)では搾乳に2人で7時間かかったが、ロボット化で省力化し労力に余裕が出たので、週休制になった(月6日以上休み)。また、雇用を減らさない分手間に余裕が出たので、その分を畑の仕事に回したり、牛舎の清掃など、管理の方に回した。牛舎に行っても、臭いにおいがしない。
つまり、単純労働からの人間解放だ。眞嶋牧場のロボット化は雇用削減ではなく、休日の増加に現れた。また、管理の質的向上、6次産業化など、マイクロコスモではあるが産業構造の高度化をもたらした。技術進歩が人間社会の進歩をもたらしたのだ。素晴らしい成果といえよう。ロボット導入の省力効果をカネに換えず、人間解放に使ったのは眞嶋氏の経営理念の現れだ。
ロボット導入の効果は「データ化」が大きいようだ。牛の首につけたリスポンダー(個体識別用発信機)が、万歩計の役割で活動量を知らせるのでリアルタイムで発情が分かる。
また、乳量も増えた。搾乳ロボット化で搾乳回数が増えた。パーラーでの搾乳は朝夕の2回であったが、現在、平均3.3回に増えた。これに伴い、乳量が10%以上増えた。また、搾乳回数が増えたことにより、乳房に乳が貯まらないのでストレスが減り、乳房炎が減り、結果として乳量が増えた。この乳量アップで、ロボット化投資の分を回収できる。
平均産次も向上した。一般にフリーストール化は牛のストレスの発見が遅れ、事故が増え平均産次が低下しているが、ロボット化でストレスをすぐに発見できるので事故を防ぐことができ、平均産次の低下を防げる。眞嶋牧場の平均産次は2.8である(全国平均2.3)。
ロボット化(データ化)で、平均産次の上昇、搾乳回数の増加などで、産乳量のアップが期待できる。眞嶋牧場の乳量は現状1万であるが、ロボット化で1万2000~1万3000に向上すると予想している。

【データ化で格差広がる】

ロボット化は雇用の削減というより、データ化で経営トータルの成績が上がるメリットが大きい。データ化をうまく活用できるか否か、このソフトの格差は大きく、経営に大きな格差が出よう。搾乳ロボットの導入で楽になることだけを考えている酪農家は失敗する。データ化のメリットを生かせず、逆に経営危機を招来するのではないか。

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