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農業は先進国型産業になった!

外国人実習生の現地ルポ 実態と課題と展望 第4回 搾乳ロボット導入でデータ化 経営トータルの改革 栃木県那須塩原市青木地区


市場原理から遠ざかってきた酪農家は、このデータ化を生かすソフト能力が培われていない。ロボット化の時代になり、経営格差は一段と広がる。10年後、青木地区の酪農家は半分になるという見方もある。
図2はこれまでの酪農の推移(全国)である。96年をピークに、下降トレンドにある。ロボット化で労力問題を克服できる時代になるのに、ソフト能力がないため、逆に経営危機に向かう。農家のソフト能力の向上を妨げてきた保護農政のツケは大きい。
表1は世界の酪農の推移である。米国もEUも、世界の牛乳生産は増加傾向にある。日本だけ減少している。バター不足騒動に示されるように、後継者不足に伴う供給不足がいわれるが、ロボット化による省力化の時代に入っているにもかかわらず、日本の酪農生産は減少する。
時代の“大転換”を感じる。日本の牛はロボット向きに改良されていない。乳牛の改良が乳量アップなど農学系の技術進歩ではなく、工学系の技術進歩に適合したものへと変わってきた。改良の方向が全く新時代に入っている。また、ソフトが非常に重要になってきた。現場で聴くと、農政当局はもちろん、農業の技術革新を語っている人たちも、そこのところが十分理解できていないのではという。いつの世も、“農業新時代”がいわれるが、本当に大転換期に来たと思った。日本は技術が遅れているだけではなく、議論そのものが「理解」されていない。

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青木地区には、世界的に見てもトップクラスの牛を飼っている優れた牧場がある。小針牧場(小針勇氏)である。栃木の酪農を語るのには欠かすことのできない存在であり、筆者は必ずここをお訪ねさせていただいている。優良経営の代表ということであろうか、天皇皇后両陛下も2回視察されている(1回はお忍び)。筆者は両陛下よりわずかに数多く訪問している。
小針牧場は搾乳牛180頭、畑25haの経営である。米国・カナダのトップクラスの牛の精液を輸入し(雌保証9割の判別精液)、高性能の牛群を揃えている。小針牧場の自慢である。乳量は1万2000と高い。総売上高2億3000万円。
労働力は家族3人+雇用4人(実習生1人、日本人3人)、計7人である。日本人が3人もいるのは珍しいが、小針牧場は栃木県農業大学校の実習生を受け入れており、その延長で若い後継者2人が就職した(将来は実家に戻り後継者となる)。県下で有名な優良経営であるため、県の農業大学校の実習農場になっているという特殊な要因がある。もう一人は近所の人である。外国人実習生は一人である。

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