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今年の市場相場を読む

意外にもこんな機能性がある野菜類 キュウリ/ナス/ピーマン/セロリ


【今後の対応】
東北6県が、キュウリに味噌などをつけて丸かじりし、体温を下げようという「キュウリビズ」を毎夏、展開している。世界一栄養がない、といったとんでもない迷信を覆して、今年はその機能性を重視したPR活動を期待したい。キュウリに含まれる脂肪分解酵素は擦り下ろすことで放出されるため、キュウリおろしやスムージーに加えてもいい。昔は夏の遠足・登山などにキュウリは水分補給の必携品。熱を緩和する機能が重要だったのだ。

ナス 栄養成分・機能性はゼロと無能扱い。血圧降下作用あり

【概況】
東京市場のナスの入荷は夏場にピークを迎える。そこでナス(長ナス、米ナス、小ナスは含まない)の入荷を07年と17年を比べてみる。数量では9%程度の減、単価は25%高くなった。入荷量の推移からみて、この減少幅ならやや漸減状態程度。単価高は、冬春主体ながら周年産地の高知、入荷量は変わらずシェアが07年40%、17年に43%と増え、ナスのトップ産地をキープしているからだ。2位の群馬は数量も増え、シェアが21%だ。
【背景】
ナスは、早くから栄養成分・機能性成分ゼロと無能扱いされてきた。ところが昨年、ナスにはコリンエステルという血圧降下作用がある機能性成分が大量に含まれていることが発見されると、早速、主産地である高知県農業技術センターが、ナスの付加価値をさらに高めることができる好適品種を選び、食味と機能性成分の確保、さらに二酸化炭素の供給で高収量を上げる栽培法を開発している。19年度までに生鮮と加工品の試験販売で収益増を実証する。
【今後の対応】
ナスといえば周年ある通常の千両系ナスと、秋~春中心で夏場にはほぼなくなる長ナスが出回っている。天ぷらや漬物などに需要が強い長ナスの周年生産・出荷が望まれ続けているが、この10年間、ナス全体に占める長ナスは20%程度に固定された。どちらのナスが機能性成分が多いかは、これから実証されていくが、少なくとも無能扱いされていたナスでも、機能性を訴求できるのだ。今年の夏は消費者にナスで血圧を下げ涼しくなってもらおう。


ピーマン 見た目も実際も栄養・機能性豊富。夏場にお勧め

【概況】
東京市場におけるピーマンの入荷は、07年対17年で数量98%とほぼ変わらず、単価は16%高程度なので、順調に推移してきたといえる。主産地は変わらず茨城だが、シェアは07年56%、17年48%と8ポイント減は有意差だ。夏秋産地の岩手のシェアは12%前後で変化ないが、冬春産地で単価の高い宮崎16%、高知10%はともにシェアを伸ばしたことが背景にありそう。ピークは夏場だが、なぜか7月に一時入荷が減る年が多い。

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