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【特集】
本誌が見た第34回国際農業機械展in帯広
- 編集部
- 2018年09月03日
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プラウを斬る(文/齊藤義崇)
待ちに待った4年に一度の十勝国際農機展。過去ほどワクワクしなくなった。日頃から技術動向や機械費用の低減について仲間と語らい、自らの農場経営で実践しているせいか、少々贅沢になった、いや目が肥えたというべきなのだろうか。結局のところ、土耕機、とくにプラウに重点を置いて会場内を歩いたので、その様子をまとめてみることにした。題して「プラウを斬る」だ。切れ味は専門家ほど鋭くないが、よもやま話と思って読んでほしい。
【プラウ耕の意義】
筆者が改めてプラウ耕を勧める意義は大きく分けて二つある。一つは、雑草や病害虫の薬剤に対する抵抗性や耐性を抑制する効果である。最近は、局地的な天候不順や異常気象が絶えず農業生産に悪影響を及ぼしているが、今後ますます雑草や病害虫を薬剤だけで退治できない状況が色濃くなると予想される。一方で、農薬・葉面散布剤の開発に伴い、世界的に不耕起栽培が流行ったものの、感受性の低い雑草は特定の除草剤に抵抗を示すようになっている。病害虫も同様だ。天地返しを行なうプラウ耕は、難防除雑草あるいは病害虫の発生密度を抑え、薬剤を長持ちさせるのに一役も二役も買っている。
二つ目は、健全な土中環境を作るからだ。ロータリー耕のように限られた土壌だけをふかふかにし続けていると、下層の土は高馬力のトラクターの踏圧でコンクリートのように硬くなってしまう。そこには根が伸びず、排水不良の原因となる。しかし、プラウ耕は表土を埋没させ、踏圧の影響を受けていない下層土と反転することで、排水不良を改善できるというわけだ。中世ヨーロッパから世界で使われ続けている農具であることがその裏付けである。
【将来を見据えた開発機】
今回展示されていた各社のプラウのなかでまず注目したのは、クボタブースのクバナランド(写真1)とスガノ農機(写真2)の2台だ。いずれの可変プラウも、即戦力というよりは将来を見据えて力を注いでいる開発機である。
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