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山口市産子実トウモロコシ地産地消への挑戦

行政主導の実証実験スタート

昨年から山口県山口市でも子実トウモロコシの栽培が始まった。 栽培に至った経緯と、実績・今後の課題などを今号より連載していく。
山口県山口市で飼料用子実トウモロコシの作付が急増中だ。2017年、2生産者27aで始まった面積は今年、10倍の約3haに拡大し、市内の延べ8生産者が取り組んでいる。
その背景として行政が果たす役割が大きい。山口市の農林政策課6次産業推進室が市内の認定農業者に呼びかけ、実施する「子実トウモロコシ栽培実証試験」が生産拡大の契機になっている。トウモロコシ栽培に関する専門家、種子メーカー、農業機械メーカー等の協力を得つつ、17年の春作より始まったものだ。2年目の今年は、4月播種(8月収穫予定)と7月播種(11月収穫予定)にそれぞれ4生産者が参画している。
実証実験には、実需側の畜産サイドも参画する。今年は、メンバーの乳牛および鶏卵、肉牛農家が給餌試験を行なう予定だ。輸入トウモロコシに対し、品質面での優位性を確認する狙いだ。
山口市の「子実トウモロコシ栽培実証試験」参画メンバーおよびその関係を整理したのが図1である。
参画メンバーらは当面の目標としては、作付面積30?haを掲げる。また、今後の増反に合わせ、コントラクター組織を結成し、堆肥散布・春作業・播種・収穫体系を合理化していく計画だ。
連載1回目は、山口市の子実トウモロコシ実証栽培実験が開始に至った経緯と初年度の実績について、取り上げる。

耕地はある 潜在需要の高さに注目

山口市では15年から「もうかる農業創生事業」という取り組みを実施している。アドバイザーに山口市在住の農業アドバイザー・浅川芳裕氏を迎え、市内産農産物の生産・流通構造の改善を図りながら、生産者の収益性向上や水田経営の将来モデルを創る各種事業を行なってきた。その一環として、16年10月には講師として本誌編集長の昆吉則氏を招へいし、子実トウモロコシの可能性と畑作技術体系に関するセミナーを開催した。

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