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農業は先進国型産業になった!

外国人実習生の現地ルポ 実態と課題と展望 第5回(番外編) アジアにおける外国人争奪戦―海外出稼ぎ労働者の未来市場―

 アジアは労働力人口の増加が続く国と、減少に転じる国(中国など)が併存しており、両者で労働力の取引が起きる可能性がある。国際労働市場で中国の“爆買い”が始まれば、日本は中国とフィリピン人やベトナム人を取り合うことになる。2020年代、アジアで初めて大規模な労働移動が起きるであろう。国際労働移動は“新局面”に入っていく。
【はじめに】

日本は今年、外国人労働者の増加が加速した。この情勢は今後も続くであろう。コンビニ、居酒屋、建設現場、工場、農業など、外国人依存はますます度を高め、外国人に支えられた社会が現れよう。
その一方で、外国人労働者の供給には問題が生じつつある。第一に、日本の賃金は国際的にみて低いので、出稼ぎ労働者に必ずしも歓迎されなくなりつつある。
もう一つの問題は、最大の供給国であった中国が、労働力の輸入国に転じる可能性があることだ。すでに、日本向けの労働者送り出しは減少し始めているが(表4参照)、もし労働力の輸入国に転じれば、今度は日本とフィリピン人やベトナム人、インドネシア人を奪い合うことになり、フィリピンなどからの日本への供給も減ることが予想される。日本の競争力に陰りが出ているところに、新たな受入れ競争国の出現は日本にとって厳しい事態だ。
本稿は上記の問題意識を背景に、近未来の東アジアの労働市場を展望したい。

1 アジアの長期人口動態-生産年齢人口の減少-

世界の人口動態は、増加から減少へと劇的に変化している。第二次世界大戦後から2010年までは人口増加だが、10年以降は“人口減少”の局面に移っている。この方向性は生産年齢人口(15~59歳)でみられる。特にアジア地域で顕著である(注、UN, World Population Prospects: 2017 revisionによる)。
アジア(東アジア+東南アジア)の生産年齢人口は、1960年から2010年の50年間で9億1960万人増加したが、今後は逆に10年から50年には1億9780万人減少へ転じる。大逆転である(表1参照)。
アジアの人口動態を仔細にみると(注、特に断らない限り、生産年齢人口について)、人口増加が続く国と、人口減少に転じる国に大別される。図1に示すように、人口減少国は中国、日本、韓国、タイ、シンガポールなどである。経済発展の先発国は“すべて”人口減に転じる。特に中国の減少が大きい。中国の生産年齢人口は15年の9億3527万人から、50年には6億9489万人へと2億4000万人も減少する。
これに対し、人口増加が続く国もある。インドネシアは3050万人増、フィリピンは3220万人増、ミャンマーは580万人増である。(注、ベトナムは当面、人口増加が続くが、30年代をピークに減少に転じる)。
人口減少グループは7カ国で2億8940万人の人口減少が起きる。これらの国では持続的な経済成長を実現するには大きな省力化イノベーションか、低生産性部門(産業/地域)から高生産性部門への労働力移動、あ
るいは移民の受け入れしかない。人口増加国と人口減少国の間で、労働力人口の交流が起きるのではないか。

2 中国の沿海部は人手不足 ソリューションは何か

【戸籍改革か労働力の輸入か】
中国は労働人口大国であり、これまで国際労働市場で労働力の供給国であった。しかし、今後は労働力の輸入国に転じる可能性がある。生産年齢人口の減少に加え、経済発展に伴う労働需給の逼迫(ひっぱく)、賃金上昇が大きいからだ。

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