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【農業は先進国型産業になった!】
外国人実習生の現地ルポ 実態と課題と展望 第5回(番外編) アジアにおける外国人争奪戦―海外出稼ぎ労働者の未来市場―
- 評論家 叶芳和
- 第17回 2018年09月03日
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海外出稼ぎ労働者の職種は多様だ。家政婦、サービス、工場、建設現場、農業など。送り出し国はいずれかに比較優位を持つであろう。例えば、フィリピン人は家政婦、インドネシア人は建設現場、中国人は農業など(比喩としての例示)。
その場合、送り出し一方、受け入れ一方という一方通行ではあるまい。中国の場合、家政婦は輸入する、建設作業員も入ってくる。しかし、一方で、内陸からローエンドの労働力が日本やシンガポールを目指すかもしれない。つまり、「外国人労働者」と一括りにして捉えると、輸入もあれば輸出もあることになり、水平分業である。
以上は、労働力需給を軸に国際労働移動を論じたものであって、労働市場そのものの分析はない。各国の労働市場を分析することで各国の比較優位を明らかにする作業も魅力的な研究になろう。
*本稿の初出は拙稿「アジアにおける外国人材争奪戦海外出稼ぎ労働者の未来市場」Webみんかぶ18年3月1日付けhttps://money.minkabu.jp/64621である。なお、拙稿「中国が労働力を輸入する日Xデーは2020年代前半」Webみんかぶ18年1月29日付けから一部採録した。データは最新値に更新した。
(参考)
・拙稿「外国人実習生が日本を支えている日本人並み待遇でも競争力低下問題」Webみんかぶ17年12月19日付けhttps://money.minkabu.jp/63861。
・拙稿「外国人実習生の効果分析(茨城県農業の事例)技能実習生は財産だ、後継者、高所得の決め手は実習生」『農業経営者』18年2月号。
・拙稿「日本は低賃金の国になってきた外国人労働者受け入れの競争力低下どう防ぐか」Webみんかぶ18年1月17日付けhttps://money.minkabu.jp/64112。
・拙稿「中国が労働力を輸入する日Xデーは2020年代前半」Webみんかぶ18年1月29日付けhttps://money.minkabu.jp/64284
・拙稿「続・中国が労働力を輸入する日フィリピン人家政婦20万人在留」Webみんかぶ18年2月6日付けhttps://money.minkabu.jp/64389。
・拙稿「外国人実習生受け入れ 日本の競争力低下」『農業経営者』18年3月号。
・拙稿「外国人労働者が日本を支えている」石橋湛山記念財団発行『自由思想』第148号(18年3月)。
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叶芳和 カノウヨシカズ
評論家
1943年、鹿児島県奄美大島生まれ。一橋大学大学院経済学研究科 博士課程修了。元・財団法人国民経済研究協会理事長。拓殖大学 国際開発学部教授、帝京平成大学現代ライフ学部教授を経て2012年から現職。主な著書は『農業・先進国型産業論』(日本経済新聞社1982年)、『赤い資本主義・中国』(東洋経済新報社1993年)、『走るアジア送れる日本』(日本評論社2003年)など。
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