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今月の数字

131%(2017年冷凍もち生産量の5年前比)

酒粕や麹を使った甘酒の人気は、ここ数年ですっかり世の中に定着した。いまでは、複数の甘酒の商品が1年中スーパーで販売されている。
市場調査会社の富士経済によれば、2017年時点での市場規模は240億円と、5年前に比べ2.5倍になったそうだ。味噌や日本酒のメーカーなどが新規参入するだけでなく、農業法人の6次産業化や農商工連携でも甘酒の商品開発が相次いでいる。昔からごく普通に存在していた何の変哲もない甘酒は、なぜ爆発的に人気が出たのだろうか。
そもそも、江戸時代中期には、それまで祭りや神事で秋冬にお供えされてきた甘酒を、夏バテ防止に効き目があるとして甘酒売りが街中で売り出し、庶民が夏に愛飲するようになっていた。しかし、昭和初期になると甘酒売りは減少し、自家製では衛生管理が行き届かず食中毒も出て、夏の飲み物として甘酒を飲む風習は衰退する。代わって登場したのが雛祭りだ。1939年の新聞記事には未成年者の禁酒を訴える団体が「節約と青少年の健康のため、雛祭りは白酒でなく甘酒を自宅で作りましょう」と呼びかけている。甘酒は冬に飲むという時代を再び打ち破ったのが、2010 年の記録的猛暑や2011 年の節電の影響による夏の暑さだった。森永製菓の冷やし甘酒は売上を2倍に伸ばし、翌2012年から販売地区を全国展開したことでブームに火がついた。

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