ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

農業は先進国型産業になった!

外国人実習生の現地ルポ 実態と課題と展望 第6回 先進農業地帯の実習生は明るく日本語上手だった

田原市は農業が発展し、全国1位(市町村別ランキング)の農業産出額を誇る。民度の高さを感じさせる先進農業地帯だ。技能実習生が940人もいて実習生依存度が高い。都市近郊、労働集約型の農業地域における実習生の実態と課題を明らかにしたい。

1 全国1位の農業産出額

田原市の農業産出額は853億円、市町村別ランキング第1位である(2016年)。1997年に新潟市を抜いて以来20年間にわたって第1位が続いている(現在の市域による比較)。渥美半島はかつては干ばつ常襲で農業困難地域であったが、68年の豊川用水の完成で水の安定供給が可能となり、農業は大きく発展し、全国有数の農業地帯になった。
現在、主な作目は菊、バラ、カーネーションなどの花き(311億円)、キャベツ、レタス、ブロッコリーなどの野菜類(300億円)、畜産(特に養豚、酪農)である。花き園芸の特化係数が9.52と著しく高いのが特徴だ。
筆者がまだ若い頃、渥美半島といえば、遠い南方に思いを馳せる伊良湖岬(島崎藤村『椰子の実』)、そして農業は「電照菊」であった。
80年代、90年代の花き園芸の成長は凄まじかった(図1参照)。当時、野菜、畜産がすでに盛んであったにもかかわらず、渥美半島のイメージは花き園芸の地帯であった。あとで、キャベツもある、養豚、酪農もあると知ったくらいである。電照菊の凄まじい伸びがそうさせたのであろう。夜間照明による出荷時期の調整、二度切り栽培、夏でも咲く新品種の開発などで、菊の周年出荷が可能になったイノベーションが背景だ。
図1は、田原市農業を作目別に推移を見たものである。80年代までは、野菜や畜産のほうが多かった。しかし、90年代には花きが主品目になった。花きの出荷額は80年90億円、90年239億円、98年409億円と倍々ゲームで高成長し、農業生産の半分を占めた。
しかし、花き園芸のピークは98年である。その後、次第に生産が後退し始めた。一番大きな要因は“輸入”だ。現在、スプレー菊は国内需要の5割が輸入、カーネーションは
7割、バラは3割が輸入である。輸入品との競争に押されているのである。生鮮食料のケースよりも厳しい事態だが、花屋さんの店頭では「原産地表示」が不要というのも一因であろう。もうひとつ、葬儀の祭壇に洋花が使われるようになったのも要因であろう。

関連記事

powered by weblio