ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

農業は先進国型産業になった!

外国人実習生の現地ルポ 実態と課題と展望 第6回 先進農業地帯の実習生は明るく日本語上手だった


実習生が4人いる(全員女性)。出身国は多様で、フィリピン人、カンボジア人2人、中国人である。寮をのぞかせてもらうと、ダイニングキッチンには冷蔵庫が4つあった。出身国や宗教により食材が違うので、冷蔵庫は各人専用である。パック詰め肉がびっしり詰め込んである冷蔵庫、野菜と果物中心の冷蔵庫、買い物前なのか意外にスカスカの冷蔵庫、色々である。
4人が各個室から出て来た。みんな明るい。屈託のない笑顔だ。格差はあるが日本語も上手だった。ウィチャットで母国語を話している人は日本語の上達が遅れるようだ。フィリピン出身のジョイスさんは大学農学部卒で、帰国したら農業に就く。コメとココナッツを作りたいという。他の3人は未定。
実習生は13年前から導入した。当初は中国からであったが、3年前から、カンボジア人、フィリピン人を入れた。中国人が途中帰国したため、リカバリーが一番早いのがカンボジア人だった。JAから入れたいが、東京の監理団体に頼んだ。監理費は、JAの場合1.8万円、民間は3万円(2年目から2.5万円)である。フィリピン人は送り出し機関に支払うため+5000円である。

【実施農家の審査と入管審査を切り離し、審査の短縮を】

西山氏は懇話会会長の立場もあって、実習生問題の改善に力を尽くしている。西山氏が強調していたのは、実習生受入れ手続きの改革だ。全国共通なことであるが、いま実習生の確保が難しくなっている。従来は5カ月、早ければ4カ月で実習生が来てくれたが、昨年の制度改革以降(外国人技能実習機構の創設)、7カ月経ってもいつ来るか分からない状態になっている。各地で、農業経営者は焦っている。
西山氏は、実習実施農家の審査と入管審査を切り離すことを提案している。農家が実習を実施できるか否かは、受け入れ農家としての資格問題であり、誰が来るかとは別問題である。そこで、人の審査と農家の審査を切り離し、“実習生未定”のまま実習計画を審査し、実施農家が適正であるか否かを事前に決め(1年間有効)、農家は随時、必要な時、人を決め入管に申請すれば1~2カ月程度で入国できる。つまり、入る人の審査と農家(技能実習計画の適正)の審査の分離を提案している。
これは理にかなっている。農作業は季節性があり、作業適期が短いから、実習生が欠けた場合、農家としてはリカバリーを早くしたい。次の人が入ってくるのが、7カ月かかるのではダメージが大きい。農家(技能実習計画)を「許可制」にすれば、おそらく1カ月以内で実習生が来られる(入管は3週間と言っている)。ただし、技能実習機構はこれに近い形で制度を運用しているようなので(農家番号制で2回目以降の実習計画審査は簡略化)、機構創設直後の混乱期を脱すれば、事態は改善に向かう可能性がある(ただし、現状は未だ遅延続く)。長引くようであれば、技能実習生をスムーズに入国させるため、審査体制の見直しは喫緊の課題である。

関連記事

powered by weblio