記事閲覧
【実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!】
いざ自然災害に遭ったときの備え
- 齊藤義崇
- 第46回 2018年09月28日
- この記事をPDFで読む
地震より堪えたのは前日に直撃を受けた台風によるダメージである。今回は経営講座の本分を大きく脱線するが、自然災害への備えの実践編として、当日の現場状況をリポートすることにしよう。
9月4日の晩、ニュースは台風21号が非常に強い勢力を保ったまま日本列島に上陸し、近畿地方を中心に大きな被害をもたらす様子を伝えていた。さらに北日本を暴風域に巻き込みながら日本海側を北上するという予報を確認したものの、「明日は子牛の市場出荷だ」と深く考えずに床に就いた。ところが、日付が変わった深夜1時を過ぎた頃、家が鳴った。慌てて飛び起きると、風の轟音が外から聞こえる。ハウスや倉庫、牛舎にいる牛たちが心配になったが、我われの命も守らなければならない。電気を点けて自宅の2階の窓から覗くだけに留めることにした。
窓ガラスはよもや割れはしないと信じたが、窓に直撃する風はとてつもなく強かった。2時を回り、諦めて寝ようとしたとき、轟音とともに停電―台風による停電は初めての経験である。これはまずい。施設が破壊され、牛は逃亡し、ハウスはめちゃくちゃになるだろうと、最悪の状況が頭をよぎった。懐中電灯と電池を手元に置いて、布団に戻ったものの寝付けない夜を過ごした。
台風21号の直撃(9月5日)
9月4日の晩、ニュースは台風21号が非常に強い勢力を保ったまま日本列島に上陸し、近畿地方を中心に大きな被害をもたらす様子を伝えていた。さらに北日本を暴風域に巻き込みながら日本海側を北上するという予報を確認したものの、「明日は子牛の市場出荷だ」と深く考えずに床に就いた。ところが、日付が変わった深夜1時を過ぎた頃、家が鳴った。慌てて飛び起きると、風の轟音が外から聞こえる。ハウスや倉庫、牛舎にいる牛たちが心配になったが、我われの命も守らなければならない。電気を点けて自宅の2階の窓から覗くだけに留めることにした。
窓ガラスはよもや割れはしないと信じたが、窓に直撃する風はとてつもなく強かった。2時を回り、諦めて寝ようとしたとき、轟音とともに停電―台風による停電は初めての経験である。これはまずい。施設が破壊され、牛は逃亡し、ハウスはめちゃくちゃになるだろうと、最悪の状況が頭をよぎった。懐中電灯と電池を手元に置いて、布団に戻ったものの寝付けない夜を過ごした。
会員の方はここからログイン
齊藤義崇 サイトウヨシタカ
1973年北海道生まれ。栗山町在住。昨年、普及指導員を退職し、実家の農業を2014年から営む。経営は和牛繁殖、施設園芸が主体。普及指導員時代は、主に水稲と農業経営を担当し、農業経営の支援に尽力した。主に農業法人の設立、経営試算ソフト「Hokkaido_Naviシステム」の開発、乾田直播の推進、水田輪作体系の確立などに携わる。
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)