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反省も見せず、責任感も感じず、当事者能力もないJA秋田おばこの経営陣には、当然の報いだ。
作柄調査-実態と乖離に統計部反省なし
農水省統計部が8月31日に公表した同15日時点での作柄調査は、最初から結果が分かっているようなものだった。東日本を中心とした早場米地帯(19道県)の作柄が、「総じて『平年並み』(99~101)または『やや良』(102~105)、北海道は『不良』(94以下)」。
最初から結果が分かっていると書いたのは、毎年、同じような調査結果が続いているからだ。北海道以外の早場米地帯(18県)に限ると、4年連続で「平年並み」または「やや良」。これだけ気象変動が激しいというのに、同じような調査結果がこれだけ並ぶのは、不思議に思えてならない。
9月初め、岩手県北上市で実際に田んぼを観てきた。統計部と米穀データバンクが「やや良」とした主要品種は、「ひとめぼれ」だった。生育の異常さは素人目でもすぐ分かった。収穫3週間ぐらい前のことなので、普通なら、稲穂が垂れ下がっているはずなのに、田んぼの真ん中の稲穂がすくっと立っていた。稲穂が軽いのだ。籾に実があまり入っていないからだ。その稲姿から、肥料が効いていないことがすぐ分かった。これは先月号で指摘した問題だ。
統計部の作柄調査は、生産流通消費統計課が担当する。窪田修課長に作柄調査の問題点を質してみた。
――8月15日時点の作柄調査は北海道を除く主産地18県で「やや良」と出ました。実態とはかけ離れた結果ではありませんか。 「調査結果は正しいと思っております」
――平年収量も実態を反映した結果ではないように思います。農家の高齢化や手抜き農法が横行していて、平年収量が伸び続けるというのは説得力がありません。伸び続ける要因は何でしょうか。
「栽培技術の向上、高温にも強い品種が投入された結果です」
――それは要因分析をした結果のお答えでしょうか。
「……………」
統計部、いまだ反省なしの態度だ。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
土門辛聞
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