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今年の市場相場を読む

暑さ長引き秋が遅い年のキノコ類 生シイタケ/エノキダケ/シメジ/エリンギ


【今後の対応】
いまや、シイタケは鍋用キノコの代表格ではない。東京市場ではシメジとは2000t以上の差があり、エノキダケは2倍入荷する。今年も基本的な基調は変わらないが、いまシイタケには“原木栽培”の見直し気運がある。それは一般的な自然回帰現象に加え、“国産”といわれているシイタケの菌床が、実は中国産であり急速にシェアを上げている、という現状からだ。シイタケ産業は、この問題の扱いいかんで生死を決するかもしれない。

エノキダケ キノコ類のトップ。需要期は出荷増の単価高

【概況】
東京市場のエノキダケは、10年前より5割も増え、キノコ類のトップに立った。年間通じて入荷量が底上げされているが、夏場にも需要が増えている。今年の年明けからみると、3月までは入荷が少なく2月には前年比で6割以上高かった。春には平年並みとなったが、6月からは入荷減の単価高状態が続き、9月上旬現在では前年比2割少なく、単価は23%高い状態だ。猛暑と残暑が要因となって、秋のキノコ需要が遅れていた。
【背景】
エノキダケは、産地側からのメニュー提案も功を奏してか、鍋需要以外の月に洋食・中華にも需要が広がった。エノキを攪拌して凍らせた「キノコ氷」は、主産地・長野県中野市で開発され、ダシになるだけでなく、コレステロールや中性脂肪などを下げると話題にもなった。エノキの販売は、そのほとんどが全農長野による販売一元管理で流通しており、生産~出荷数量と価格が調整され、消費地の需給関係や野菜類の相場推移にも敏感に対応している。
【今後の対応】
今年の年明けは300円/kgを超える異常価格であったが、8月までの推移で合計すると昨年の平均単価とほぼ変わらない。夏期の需要の弱い時期の単価は安く抑えて、需要期の秋~冬期には数量も増やして単価を上げることで、年間のバランスを取るという全農長野のやり方だ。まだまだ暑さの残る今年の9月上旬には数量を抑えたが、温度が下がり始めて需要が出てきたための相場高になった。これから冬のシーズンも前年並みに推移するだろう。

シメジ 品種や生産構造が効率化。鍋用キノコの復活で成長を

【概況】
東京市場に入荷するシメジは、17年で72%が長野産であり、過去20年の推移をみても、新潟や群馬などの他の産地シェアは増減しても、常に長野産が不動のトップである。入荷量は全体でほぼ1万tで変わらないし、ピークは鍋シーズンではあるものの、夏場など他のシーズンもそれほど少なくならない。20年間の動向ではいわゆるヒラタケ系からクリタケ系に全面転換したことと、産地が農協出荷から企業生産に切り替わったことが大きい。

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