ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

今年の市場相場を読む

暑さ長引き秋が遅い年のキノコ類 生シイタケ/エノキダケ/シメジ/エリンギ


【背景】
ヒラタケシメジと違って、クリタケシメジは鍋専用といった食材ではなく、用途は幅広い。これは日本を代表する大型キノコ産業であるホクトが、スーパーとのタイアップでマイタケ、シメジ、エリンギなど自社製品をセットで置き、液晶モニターでのメニュー提案や試食販売などに力を入れてきた成果でもある。効率的な品種変更や活発なプロモーション活動を行ない、大型栽培施設を各地に配置してきたことで、生産拡大と物流効率化が実現した。
【今後の対応】
生産内容と生産構造の大変革を達成したシメジだが、東京市場への入荷がほぼ変化しないのはなぜか。ひとつは各地に栽培施設を分散させ、企業ゆえの直接販売機能があることで、東京市場へ集中させて建値を作らせる必要がないこと。二つ目はホクトはすべての栽培施設を自前、直営で運営しており、地域間や販売商品、品種をバランスよく売ることが経営安定につながるからだ。これからのシメジの使命は、ヒラタケなど鍋専用品種を開発することだ。

エリンギ 増えて安くの実感と入荷動向に差。セット販売の限界

【概況】
東京市場のエリンギ統計は、00年から始まり、当時は年間1600t、単価は706円もした。17年には54%増えて24%安くなっているが、10年前の07年と比べると22%も減っている。今年は、やはり年始めの時期に、数量は前年に比べて少なく単価もかなり高いが、4、5月は急増して暴落ぎみであった。8月から9月上旬にかけて単価が高くなっているが、これから冬にかけては数量も回復して単価も前年並みになるだろう。
【背景】
エリンギは、過去10数年の推移を小売店頭で見る限り、徐々に単価が落ち、パック当たりの販売価格も目に見えて下がっている。東京市場で統計が独立してからしばらくは主産地は群馬だったが、現在は長野産と新潟産の2県で95%を占めて、ホクトと雪国まいたけがトップ争いをしている。東京市場への入荷が減っているのは、両社ともに競い合いながら量販店との直接販売の比率を高めているからだ。直接販売なら、市場より価格は安くなる。
【今後の対応】
シメジ同様エリンギも、店頭レベルでは明らかに増えて安くなったが、市場入荷は現状維持か減少だ。その背景には、両社ともキノコ商材が複数あり、それをセットで販売企画しているため。エノキダケの成長拡大は、県連が先頭に立って生産農家やJAを率先し、生産振興策やマーケティングを引き受けている。企業が集中的な大量生産する一方で、系統では少量多数の生産であっても個々を拡大している。企業誘致してJA共販という形態はアリだ。

関連記事

powered by weblio