ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

イベントレポート

農村経営研究会 2018年第2回定例会「私がマイファーム事業で目指すもの」



みんなでマイファーム定義書をつくる

マイファームは、自然資本を増やすことによって世界に貢献しているという自負を持っている。自然資本と対になる言葉は経済資本である。人は、ご飯を食べてカロリーを摂取し、何かを生み出す活動をするのが経済資本。自然からもらったもので作物をつくり、ご飯をつくるまでが自然資本だ。
私は、第一次産業というのは、お天道様の下で自然資本を人間の活動エネルギーに換えていると考えている。生産者側は、効率がよく自然リスクが少ない農業スタイルに向かっている。それを助長するように、消費者は、年中ホウレンソウが食べられることを求めてきた。消費者は、この感覚から抜け出さなければならないと思う。一方、旬を感じたい、季節のものを食べたいという消費者も増えている。消費者が変われば、農業者の生産スタイルも変わってくるだろう。マイファームが「自産自消ができる社会」を目指すのは、そういうことに気づく人を増やすことでもある。
マイファームでは、毎年10~12月にかけ、従業員全員で「マイファーム定義書」をみんなでつくっている。昨年のキーワードから、私たちの考え方を紹介する。
「地球が生きている」「人が人らしく存在している」「人がつくる喜びを感じている」「人間が食べものを食べる幸せを感じている」というキーワードが挙がった。私は、こういったキーワードが挙がることからも、若者のなかに、自然資本の考え方に向かっている人が増えていると感じている。また、「自家菜園がスタンダード」と「休日の過ごし方は畑」というキーワードも挙がった。このような生き方は、地方に住む人たちよりも東京に住む人たちのほうが気づくものだ。これからの農村を考えるときは、都会からの移住者や他業種の人たちとのコミュニケーションが役立つだろう。「ごちそうをつくるプロ農家」というキーワードの「ごちそう」の定義は、自分が生産したものを食べた人においしかった、ありがとうと言ってもらえる数である。「学校の授業に、自然科学と自然産業」「養生と予防の基本は農業」というキーワードは、小中高生が農業体験をすることによる教育的な効果や、高齢者などのセラピーとしての意義、農業体験を教える側の人たちの人間力が磨かれる効果などがあることを指している。学校の授業や農業体験は、今日、明日、効果が現れるものではなく、将来につなぐためのものである。

関連記事

powered by weblio