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新・農業経営者ルポ

Made by Dutch、オランダ人による日本での農業経営は彼らからすればなんら特別なことではない


たださ、GLOBAL G.A.P.を取ったから、有機JASを取ったからって、出荷価格を上げようとするのは変だよね。お客さんは価格が同じなら認証があるほうを選ぶけど、価格が高くなったら安いほうを選ぼうとするのは自然だよね。オランダで栽培方法を変えるから出荷価格を上げるよなんて言えないよ。
GAPからそれるけど、日本では畑から収穫したばかりのものを『そのまま食べられるよ』って聞く場面によく出くわすけどさ、あれはどんな野菜でも洗わないと。自分は無農薬栽培だけど、そんなことは絶対言わない。虫が付いているかもしれないし、キツネがおしっこしたかもしれない。どこで、何が、何をしているのかわからないから『そのまま食べられるよ』なんてリスクのあることは絶対に言わないよ」

オランダでは普通な“Mady by Dutch”

小誌では“Made by Japanese”というテーマの記事を掲載したことが幾度もある。日本を飛び出し、海外で日本人が現地生産を行なう。そ
れからすると今回のケースは“Made by Dutch”ということになるが、オランダ人からすればはるか昔より外国での農業経営をいわば普通に実施してきた歴史がある。Simonが選んだのは日本だったが、彼からしてもなんら特別なことではないだろう。次の言葉に集約されている。
「『日本はオランダと違うから難しいよ』と周りの日本人に言われたね。気候は違うし、いろいろ違うけど、難しくはないね。そもそもオランダと同じだと思って始めていないからさ。日本のなかで使えるものをAdopt(採択)する。それと、農業の専門家であるお父さんにオランダの技術のことを聞くけど、そのなかで日本にどうやってApply(適合)できるのかを常に考えているから問題はないよ」
Simonはさらなる展望やアイデアも話してくれた。夢物語だと人は思うかもしれない。とはいえ、日本での営農をすでに実現させ、情報収集を欠かさずに臨機応変に対応していくことに長けている。数年後にはきっと彼がこのインタビューで話していたようなことが現実のものになっているに違いない。 (文中敬称略)

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