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山口市産子実トウモロコシ地産地消への挑戦

普及への課題と対策(1)土作業・堆肥・乾燥


「その効果をみたことのない稲作農家からは、『また余計な機械を買って』と思われるのがオチ。私のほうで請負作業をしながら、実証試験に参加している生産者の土や作物が変わり、結果が目にみえるようになれば、周りの稲作農家の意識が少しずつ変わっていくのではないか」
子実トウモロコシ実証試験、そして山根氏のプラウ導入をきっかけに、山口市の水田農業に変化の兆しが訪れたことだけは間違いなさそうだ。

苦労した堆肥散布 低コスト化も課題に

2年間の実証実験で、参加生産者の多くが苦労したのが意外にも堆肥の散布作業だった。化学肥料偏重の稲作が当たり前になっており、そもそも堆肥投入の経験があまりない。
栽培説明会の際、「トウモロコシは吸肥性が極めて高く、窒素分をたくさん必要とします。堆肥は牛糞で10a当たり4t、鶏糞で2t程度まいてください」(パイオニアエコサイエンス(株)の大畑親一氏)とアドバイスがあると、参加者からは「そんな量をどうやってまくんだ」という声もあがった。
当然、専用のマニュアスプレッダーを保有する生産者は皆無であった。
ある生産者は「トラクターショベルを振って散布」、別の生産者は「農協に散布を依頼」するなどして、対応した。
問題は散布作業だけではなかった。堆肥の調達も苦労していた。どこから仕入れるか悩んだ結
果、県外の畜産法人にまで連絡した生産者もいる。
しかし、この堆肥探しは功を奏した。地元畜産農家との関係が深まったのだ。県外から買おうとしていた生産者は、「近所の畜産農家から『余っているので、取りに来てくれれば無償で提供します』との申し出を受けた」という。
一方、農協や業者から購入した生産者の場合、堆肥代が10a当たり1万円前後にもなった。現状の収量・商品代金で反収2万円程度(交付金を含まない)の子実トウモロコシにおいて、堆肥にそれだけコストを投入しては、再生産性はおぼつかない。
この状況について、栽培指導にあたるパイオニアエコサイエンスの大畑氏から、「農業の基本は地元の未利用資源を有効活用すること。とくに堆肥を大量に使うトウモロコシ生産にあたっては、糞尿処理に困っている地元の畜産法人と連携をもっと深めることが重要だ」との指摘があった。
そこで実証試験をコーディネートする山口市農政課の安村崇氏と農業アドバイザーの浅川芳裕氏が、初年度から実需者として子実トウモロコシ・セミナーにご登壇いただいていた(株)秋川牧園を訪れ、堆肥の調達と仕組みづくりについて協議を行なった(筆者も同席)。

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