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秋川牧園は2009年から飼料米専用品種による「多収穫低コスト栽培への取組」を行なっており、契約生産者に対して堆肥を無償運搬・提供、ならびにマニュアスプレッダーを無償レンタルする仕組みを築いていることがわかった。協議を通じて、地元産子実トウモロコシの価値を再認識いただき、飼料米と同じ堆肥提供の仕組みを実証実験に導入してもらえることとなった。
さっそく、7月播種の生産者4名のうち、2名が堆肥の提供を受け、無償レンタルによるマニュアスプレッダーでの散布を行なった。
この取組をさらに実り多きものにするために、現在、秋川牧園の鶏糞堆肥の成分について、パイオニアエコサイエンスが分析中である。成分特性がわかれば、今後、より的確な堆肥散布量が計算できるようになる。その結果、投入する化学肥料の低減にもつながる試みだ。
乾燥機とサイレージ化 専用機導入で受託作業も
最後に子実トウモロコシの乾燥における課題と対策について報告する。
乾燥機は米麦と同じものが使用可能である。収穫時の水分量は16~20数%で、貯蔵・流通に適した13%まで落とす。昨年は9月1日に17%で収穫した。約360kgの子実乾燥に要したのは2時間ほどだった。初めてトウモロコシを乾燥した農園屋五葉の山根氏は「コメより乾くのが速い」と語る。
そこまでは順調に進んだ。問題が発覚したのはコメの乾燥後だった。乾燥機に残っていた子実トウモロコシがコメに混入したのだ。
課題としては、トウモロコシの乾燥時期がコメの収穫時期と近いことだ。稲刈り準備に追われるなか、乾燥機の清掃は生産者の負担になる。
今年度から試作した11月収穫の品種では、次年度のコメの乾燥まで清掃に時間的余裕を持つことができる。とはいえ、今後の面積拡大を考えれば、トウモロコシ専用の乾燥機を用意するほうが現実的であろう。
乾燥に関して、もう一つ問題が発生した。今年度の7月播種・11月収穫から試験に参加した生産者2名は乾燥機を所有していない。また、トウモロコシの乾燥を引き受けてくれるところも見つからなかった。まだ知名度がないので仕方がない。
乾燥機がないという根本問題への対策として、今年の8月収穫分は乾燥せずそのままサイレージ化する実験を行なった。
サイレージ化に適した水分量は30%前後である。そのため、収穫時期は昨年より1週間ほど早めた。
サイレージ化のプロセスは以下のとおりだ。ビニールの内袋入りのフレコンバックと結束バンドを用意する→収穫した子実をコンバインから直接フレコンに詰める→詰める最中に乳酸菌を混ぜる→フレコンを倉庫に運び空気を抜く(これには家庭用掃除機が使える)→最後に結束バンドを使って密閉する。
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