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実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!

農業機械のコストの話(2)作業適期の幅と機械の選択

タダより高いものはない

地球のどこに生まれるのかは選択できるものではない。あそこの国、あそこの土地、あそこの土と、耕す場所を自由に選べるわけでもない。一時はその土地条件が繁栄を見たとしても、永遠でもない。気象災害のニュースを見るたびにそう自分に言い聞かせてきた。
たとえば、かつてのナイル川や長江の氾濫は、周辺住民の暮らしに災厄をもたらす悲しい出来事だったはずである。だが、後世に生きている我われは、氾濫のたびに肥沃な土が客土され、その後は穀物の生産力が高くなったことを過去から学んできた。さらに、先進国と呼ばれる国の農業は、栽培や育種といった農業分野の技術の進歩だけでなく、工業などの技術革新の恩恵を受けて繁栄を遂げている。経営者階層が考えるのは、いかにハンデを克服し、特色を活かす術をできる限り講じて、ときに経済力や人力で乗り切るのかで、そこに心血を注ぐのはいつの世でも当たり前のことである。
日本は年間降水量が多く、四季のあるモンスーン気候ゆえに、雨季と乾季がハッキリしている地域と比べれば、土地利用型の作物は育てにくいかもしれない。また、近年は勢力の大きい低気圧や台風が日本列島を襲い、一所に停滞しようものなら記録的な雨量が田畑に降り注ぎ、上陸した台風は暴風を伴い、農作物に加えて施設や機械にも被害をもたらす。ただでさえ、気候が許す作業適期が限られるなか、ぬかるんだ圃場には入れず、作業機会を逸して指をくわえてみているしかない状況も増えているだろう。
局所的な降雨が災害をもたらす一方で、別の土地では干ばつをもたらし、恵みの雨を待つ農業者がいたりする。気温変動も予測が難しく、低温あるいは高温下で作物が思い通りに生育しないジレンマも募る。しかしながら、昨今の農業機械は大型化が進み、水を多く含む雨後の作業には適さず、土壌環境を悪化させる要因にすらなってしまう。

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