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土門「辛」聞

作況指数大外れは「歩留まり」無視の欠陥調査に原因があった

農水省統計部が9月28日に公表した同15日時点の全国・作況指数は100だった。「平年並み」ある。ところがマーケットが実感する作況は、その真逆で例年にない不作ということだ。
なぜ統計部の作況指数が大きく外れ続けるのか。主産地をカバーする東日本を中心とした早場地帯(19道県)で103(やや良)の最高値が出た宮城県を例に検証してみよう。
その宮城県で稲刈りが始まったのは同15日頃から。翌日の新聞で103と知った生産者のAさんは、思わず「えっ、本当かい」とつぶやいたそうだ。収穫が迫った周囲の田んぼを見渡して、こんなレポートを送ってきてくれた。
「もみの姿を見ていても、米粒は細かったし、長粒種のような印象だったよ。平年よりも1俵(60kg)ぐらいは減収かな。管理の行き届かなかった大規模生産者はもっと悲惨。7俵割れした生産者もいたようだ」
これを裏付けるのは米袋業者のレポートだ。昔から米袋の売れ行きは収穫量の先行指標。彼らは収穫前から注文を取るため産地を回っている。生産者も収穫量の予想をつけたうえで収穫前に発注を済ませておく。作況予想の正確さにおいては統計部など足下にも及ばない。
東北に営業拠点がある米袋業者に東北6県の作況を確かめてみた。
「どの産地からも穫れているという話は聞きません。収穫量も落ちているようだし品質も良くありません。おかげで米袋の注文は例年の5%ぐらい減ると覚悟しています」
マーケットの情報を総合すると、宮城県の作況指数は96~97というところか。それを反映して全農や農協が概算金を奮発。宮城産ひとめぼれも前年産より500円高くなった。
この夏、生産流通消費統計課長に豊作予想なのに米価アップはおかしいと噛みついてやったことがある。その答えが振るっていた。
「米価は他の要因でも上がることがあります。作況指数と結びつけてもらっても……」
作況指数にマーケットが求めるのは正確さ、それは需給判断の材料に使うためだということを、この課長氏はご存知ないらしい。

設計そのものにも欠陥がある手抜き調査

作況調査がこれだけ大きく外れる理由を探るため、同課が2018年3月に公表した「水稲収穫量調査のしくみ」(調査のしくみ)と、それに沿った「水稲作況標本(基準)筆調査票」(調査票)を取り寄せた。数年前にも作況調査に対する批判は出ていた。統計部は、15年3月に調査方法を変えている。以前に使われていた「調査のしくみ」と調査票も同時に提出してもらった。

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