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今年の市場相場を読む

秋に収穫期を迎える野菜類 カンショ/サトイモ/ナガイモ/カボチャ

10月に入って、ようやく安定した秋が来た。今年の9月の暑さは非常に特別だった。野菜類は全般に、東北から関東につなぐ夏秋野菜は暑さに負けて不作や遅れが激しい産地がほとんどで、供給が不安定、高値、輸入増という現象が継続した。そうした状況を抜けてようやく秋。秋はホクホクと美味しくて貯蔵性もある土物類などの収穫期だ。
果菜類では夏場に生育して養分を蓄えて秋が本番のカボチャ、土物ではカンショ、サトイモ、ナガイモも待ちに待った収穫期で新物が出回る。地下茎が食用のこれらの野菜類は、比較的気候の変動には強い。秋に楽しみな野菜類の動向をみてみよう。

カンショ 古い品目でもこの10年で成長。美味しく食べさせた

【概況】
東京市場のカンショの入荷動向を過去10年(07年対17年)で対比すると、数量は5%増えて単価でも12%高くなっている。新品目での成長株は少なくないが、カンショは古い品目における代表的な成長株のひとつ。伝統的に千葉、茨城が周年供給できる2大産地であることも変わらない。6月から8月までの高温期は少ないが、9月から10月が収穫期で市場入荷もピークになる。今年18年は年明けから前年同月比増が続いている。
【背景】
カンショの入荷が増えているのは、生産が拡大、もしくは意欲的だからだ。かつてカンショといえば、鳴門金時やベニアズマなどホクホク系の品種が主流で、業務用需要や消費者も、関東ではホクホク感を好んだ。しかし、10数年前から、安納芋など高糖度でネットリ系の品種が、焼き芋、スイートポテトブームを喚起し、茨城ではシルクスイートなど焼き芋用品種を開発したが、いまは九州から関東まで、高糖度のべにはるかが広範囲に拡大している。
【今後の対応】
新品種のカンショがここまで急成長したのは、まず品種としての優良性がある。紅はるかは、バラツキが大きく小芋率が高かった安納芋をはるかに上回るというネーミングとされる。その品質の高位安定性に加えて、10数年前からスーパー店頭などに「焼き芋機」が置かれ、焼き立て販売方式が定着したからだ。商品が少ない春までの期間、小売店ではこの焼き芋販売が売り上げを補填しているともいう。キーワードは「美味しく食べさせた」だ。

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