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特集

ソーラーシェアリング 営農と太陽光発電を両立させる農業経営


図2は実証試験場での光が強いほど収量が増えるとされるトウモロコシ栽培の例で、パネルの影響を受けない際南(左側)の作柄がなぜ悪くなるのでしょうか。
皆さんの身近でも、このような例がたくさん見つかるはずです。
海中生活から地上へ取り残された生物は皆、直射日光を利用しきれず、むしろ嫌い、生長を阻害する要因になっていると考えられます。
図3は、中学の理科の副読本に載っている、葉緑体が強い光に対してどのように対応しているかの説明図です。
ほどよい光では葉緑体が横に展開されて効率よくエネルギーを受ける形をとり、一方、強い光では受けるのを避けるように縦に並ぶという事実があります。
葉緑体は植物の細胞の増殖に伴い増殖していますが、植物本来の細胞ではなく、進化の過程で、取り込まれて共生したものなので、新たな高照度の環境に対応するような進化が出来ずに昔の性質を伝えているということでしょうか。

【風対策「偽りの廉価」に注意】

ソーラーシェアリングを行なうには、パネルの間隔を開けて、空中に並べる必要があります。空中に並べた各々のパネルには大きな風圧がかかり、地上型太陽光発電以上に架台強度が要求されます。
2012年に全国農業新聞によって報道された三重県伊賀市の和田さんの水田での設計を見れば、重量鉄骨造りでした。このことからも大きな風圧荷重の対策が必要であることが解ります。
私が2010年に作りました千葉県市原市皆吉の実証試験場では廉価な単管を使用しました。
その設計は大風の対処法として、2列セルの細いパネルを使用することに加え、それを手動で強風時にあらかじめ水平にし、張り綱を四方に設けました。
台風対策を軽視して、少し廉価な大きなパネルを使用すればパネル費用を数割下げることが出来、組立工数も低減できます。
さらに、台風のときにパネルを水平にする機能を省けば、一層費用を下げることが出来ますが、耐風性を同等に維持しようとすれば、図4のように梁や柱に比例的に「より太く重い」材料を使用することが必要となり、材料代や組立の費用がかさむことになります。
さらに全体の重量の増加が避けられず、資材の運送料や組立作業の負担が増し、地盤沈下の危険も増すことから、当初の費用を2~3割低減するという「大きなパネルを使用する効果」を全て失ってしまうことになります。
架台を強くしなければ、それなりの経済効果が得られますが、まさにそれは「大切なことを省いた偽りの廉価」に他ならず、決して好ましい姿ではありません。

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