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特集

ソーラーシェアリング 営農と太陽光発電を両立させる農業経営



【防災の要となる風荷重の計算について】

風荷重の計算は図5に示すような風圧の値をグラフから求められる工夫をすれば、表から基本の風荷重を知り、パネル面積と設置形態の風力係数を用いた比例計算だけになり、高度な計算が不要になって誰もが容易に風荷重を知ることが出来ます。
強度計算では単位と有効数字の理解が大切になります。時間の単位は風速から秒と定め、長さの単位をメートルに定め、パネルの面積は平米単位で計算することが大切です。
得られる風荷重の単位はニュートン(N)となりますが、この値を重力加速度で除算してグラフにしてありますので、単位は私たちが日常感じる重さの単位(kg)になり、直感的にその大きさを感じることができるでしょう。
有効桁数とは確実な数字が何桁あるかという概念で、有効桁数が少ない風圧係数のような低い精度の数字が計算の中に入ると、それに影響を受けて計算結果も低い精度になります。従って、いたずらに有効桁数の多い数字で計算することは適切でありません。
架台強度計算では風力係数という確度の低い概念を入れて計算しますから、2桁くらいが確度の高い有効な数字になります。計算に慣れてきますと、いろいろなソーラーシェアリングを見ただけでおおよその風荷重が計算出来るようになり、皆さんがどのような仕様を導入するかの良い参考になります。
なお、風圧荷重の計算方法として、建築に用いられている方法を採用する例がありますが、風力係数の取り方をパネル面に直角な方向と定義したために、パネルが水平時の水平分力値がゼロになって水平時の対応に問題があり、ソーラーシェアリングのような空中に浮かぶパネルの風圧荷重を計算する方法として、改良の余地があります。
耐え得る最大瞬間風速が明確になるよう、最大瞬間風速を決めて、翼の設計時のように揚力係数と抗力係数を分離して計算することが、より合理的になるでしょう。

【パネル傾斜角を変える方法】

パネルはなぜ回動する必要があるのでしょうか。
水平が一番風荷重を小さくすることになりますので、強度的に水平がベストなら水平に固定する方法もあります。特に熱帯地方では太陽は常に真上を通過しますので、パネル表面の汚れを雨水で流すという自己清浄機能を無視すれば、この選択も可能になります。
しかし、中緯度の我が国では雪も降り、また相当水分の多い重い雪対策も必要になりますので、ゴミ汚染対策と合わせて、傾斜させることが発電量を上げるためにも合理的になります。

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