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特集

ソーラーシェアリング 営農と太陽光発電を両立させる農業経営


また放射冷却を減らすことになり、地温が上がり、雪解けを早め、夏は日陰の中の農作業で作業が楽になるという副次的なメリットもあります。
従来の品種改良は裸地を基準になされてきた経緯があります。
ソーラーシェアリングが広く実用化される時代は、従来の品種をそのまま使用するのではなく、多くの篤農家や農業試験場等の積極的な参加によって、改めてパネルの下で、良く育ち、味の良い、病害に強い等、良い性質を持った株を見つけ、新しい品種として固定していくことが大切ではないでしょうか。
架台の柱があっても、ただ、作業の邪魔になると考えないで、架台を利用して防虫網の設置を行なえば、減農薬も志向出来るでしょう。また株の支柱が倒れないように吊り、たわわに実る株を確実に保持することも可能です。
農業機械の運行に柱が邪魔と気にされる方も多いですが、センサー技術の発達で小さな費用で接触が防止できる時代ですので、早急に解決出来る問題として考慮すれば良いでしょう。
農業者や篤農家の皆さんのたゆまぬ工夫や提案によって、ますますソーラーシェアリング農業が大きく発展することが期待されます。

【ソーラーシェアリングで世界が変わる】

産業革命以前の人類社会は自然エネルギーのみで生活していました。人類が火を使い出して約50万年経過し、産業革命後は地下資源に頼った生活を約200年間続けてきました。人類の歴史から見れば、50万年のうち200年は極めて短い特異な時代と考えるべきかもしれません。
今日、私たちは地球温暖化によって、脱炭素社会への移行が急務となりました。日本政府は化石燃料の発電効率を上げて節約することが対策と考え、石炭火力を推進してきた経緯があります。
2015年12月のパリ協定以後、世界の潮流は化石燃料が「あっても使わない」「使えない」時代に突入し、COP23では世界の資金の流れが自然エネルギー社会の構築に向かい始めたことが明らかになりました。
私たち日本は周回遅れと批判されていますが、これを取り戻すためにも、ソーラーシェアリングのより早い普及が待たれています。
ソーラーシェアリングの普及は、化石燃料の使用を漸減してエネルギーの自給率を上げることはもとより、山を削り野を不毛の地とする従来のメガソーラーの建設を押さえて、「自然と共生する」自然エネルギー社会の実現に貢献することにあります。
中国をはじめとする多くの国でもソーラーシェアリングの普及が進み始めました。加えて、ソーラーシェアリングが、強過ぎる太陽の直射を緩和する効果によって、熱帯地方の飢餓と貧困の問題の解決にも寄与できることが期待されています。

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