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特集

ソーラーシェアリング 営農と太陽光発電を両立させる農業経営



【ソーラーシェアリングのモデルケースに】

14年9月、匝瑳第一市民発電所が売電開始。匝瑳での初号機だった。
定格出力30kW、設置面積約850平方m。パネルは風に強く遮光率の低いスリムタイプを採用。設置工事には農家の人たちも加わっている。
16年1月には、これまで常識だった南向きパネルではなく、東西向き太陽追随型のスマートターン((R)長島彬)を採用したシステムが増設されている。
この第一発電所は、市民出資型パネルオーナー制度の導入例としても注目された。パネル1枚につき2万5000円、売電収益が毎年出資者に還元される仕組みだ。沖縄のホテルでよく見られる客室オーナー制度にヒントを得たという。
資本金90万円でスタートした会社がつくりあげた最初の発電所。ソーラーシェアリングを実際に見ることで、農家の理解も深まっていく。実績を上げることで、支援もひろがっていく。
17年4月には、匝瑳メガソーラー第一発所が通電を開始した。ソーラーシェアリングとしては日本最大規模の出力1MW。年間発電量は約142万kWh。一般家庭300世帯分の消費量に相当する。発電事業の運営にあたるのは、市民エネルギーちばが全額出資した匝瑳ソーラーシェアリング合同会社。椿さんが代表を務める。
設置費用は約3億円に上った。プロジェクトファイナンスに応じたのは、エコ融資に力を入れている東京の城南信用金庫。そのほか、環境保全を経営テーマに掲げる企業が、匿名組合出資や社債引き受けなどで資金調達に応じてくれた。
土地面積は3.2ha。そのうち半分以上は耕作放棄地だった。このプロジェクトで2ha近い農地が再生されたことになる。取材で訪ねた11月上旬、パネル下では黄ばみかけた大豆が収穫を待っていた。動物性堆肥は使わない有機農法。というより雑草を活かす自然農法に近い。反収はまだ150kgほどか。

【Three little birdsの若手農業者たち】

市民エネルギーちばはソーラーシェアリングの自社発電、プロデュースを主な仕事としている。発電所をつくるだけではない。環境保全を基本にすえながら、トータルで地域にアプローチしていく。こうして手掛けたソーラーシェアリングは匝瑳市内だけでも現在12カ所。
その耕作はThree little birds(TLB)が担っている。東さんと椿さんの働きかけで、地元の若手農業者たちが中心になって設立した合同会社だ。移住してきた新規就農者もメンバーに加わっている。

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