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特集

ソーラーシェアリング 営農と太陽光発電を両立させる農業経営



加工販売に向けた取り組みはすでに始まっている。今年18年10月には、6次化やパークファーム事業を手掛ける会社として、農業生産法人「(株)Re」を東さんと髙坂勝さんが設立した。
パークファーム事業としては、農村・農作業体験、市民農園、農村民泊、園芸療法などが企画されている。計画の進行にしたがって、さらに多くの地域住民が関わってくることになるだろう。
髙坂さんは「ダウンシフターズ」の著者としても知られる。環境NPO「匝瑳プロジェクト」を立ち上げ、10年ほど前から農業体験を都市住民向けに紹介する活動に取り組んできた。「マイ田んぼ」を借りた人のなかには匝瑳に移住した人が何人もいる。その人たちがソラシェアにも関わりはじめた。
取材当日、たまたま事務所ではReの会議が開かれていた。ちょうどお昼時、テーブルには食事が並ぶ。メニューは地元産を使った自家製玄米ごはん、浅漬けキムチ、ナムル風野菜の和え物、肉と野菜の汁物など。自然食レストランで食べれば何千円かとられるだろう。いわばランチミーティング。
会議には、千葉県市川市の福祉工場で大豆コーヒーを生産する「(株)實埜邑(みののむら)」が出席していた。匝瑳ソラシェア産大豆を原料に使いたいとのこと。香りの強さを特色とするヒュウガはコーヒー用にOEM生産してもらい、Reのブランドとして販売する可能性もある。
「これまでDNAをつくるというイメージでやってきました。ぼくらは進化の起爆剤として、感染力の強いウイルスになりたい。自分たちが大きくなる必要はありません。環境と経済の折り合いがついた状態を誰かが発見しなければなりませんから」(東さん)
ソラシェアの郷匝瑳は、曲折を経ながらまだまだ進化しつづける。
(取材・文=八木誠一)

市民エネルギーちば合同会社(株式会社化を予定) 
2014年7月設立。ソーラーシェアリングの自社発電・企画・運営・コンサルティング・施工を行なっている。これまで手掛けたのは匝瑳市内を中心に12案件。いわば匝瑳市におけるソーラーシェアリング事業の中核的存在。
匝瑳第一市民発電所 
2014年9月通電、大豆約800平方m、30kW、年間売電額約250万円(36円/kWh)、設置費約900万円。※16年1月にはスマートターンを採用した増設分が通電開始。
匝瑳メガソーラー第一発電所 
17年3月通電、大豆+麦3.2ha、1MW、年間売電額約5,400万円(32円/kWh)、設置費約3億円。 

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