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農業は先進国型産業になった!

外国人実習生の現地ルポ 実態と課題と展望 第8回 外国人依存度が大きい漁業基地 日本人から実習生に置換した



一次産品加工の比較優位を生かせ
人口減少、「消滅可能性都市」から脱却するには、経済の活性化が一番の課題である。地の利を生かし、時代の変化をうまく利用することだ。
銚子市は、一次産品に比較優位がある。先述したように、銚子漁港は太平洋岸の魚類の集積地であり、魚の水揚げ量は全国一、また水産加工業も発展している。温暖な気候を生かした春キャベツや春ダイコンの生産も全国一である。他産地ではハウスを要するものも、銚子では露地で生産できる。銚子は一次産品に強い自治体といえる。
なかでも、水産加工設備の集積に注目したい。銚子所属の船団は2カ統に過ぎないのに、銚子に水揚げする船団は30カ統もあるのは後背地としての設備が充実しているからだ。例えば、塩鮭(切身)も銚子は日本一だが、北海道から鮭を持ってきて加工している。水産加工設備は銚子の重要な「地域資源」だ。
一次産品の“加工技術”は、農産品でも期待できる。担い手は若者だ。農業は余剰農産物がたくさんあるが、それを有効活用したらよい。キャベツは規格外が2割もあるが、カット野菜をつくればよい。茨城県ではカット野菜が普及し始めている。
若者たちの間に、新しい製品開発の動きがある。まだ自営業的段階であるが、トマトチキンカレーが売り出された。地ビール、オリーブ栽培&オリーブオイル、ホップ栽培の動きもある。従来、銚子には農産品の加工はなかったが、新しい動きが出ている。メロンも16度の甘さのものが露地でできる(茨城のハウス物より時期が遅く競合しない)。
水産品の加工技術は早くから蓄積されている。「一次産品の加工」(製造業)ということにコンセプトを広げ、農業分野でも目的意識をもって取り組んではどうか。余剰農産物は多いので、ビジネスチャンスがたくさんあるのではないのか。大消費地・東京に近い地の利を生かして、新しい地域産業の発展の可能性はある。水産物加工モノカルチャーから脱せ。「銚子ルネサンス」は若い人たちが担い手になるであろう。

アジアの食糧基地
時代は大きく変化している。中国、東南アジアの経済発展、所得向上は大きい。また、生鮮品の品質を保つ物流のコールドチェーンも技術進歩した。一次産品の輸出産業化の可能性が大きくなってきた。
特に中国の経済発展と流通革命は目覚ましい。想像を絶するものがある。中国の農林水産業に詳しい研究者の報告によると、Eコマース(電子商取引)のトップ企業は、生鮮食品を収穫の当日または翌日に配送可能な体制である(農林中金総合研究所『調査と情報』18年5月号、阮蔚(ルアンウェイ)論文参照)。ビッグデータとAI(人工知能)の活用で売れ筋商品を揃える。盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)社は「日日鮮(当日完売)」ブランドの野菜を販売しているが、1日の販売量を予測し、上海周辺の契約農場から調達している。「日日鮮」ブランドは人気が高く、夕方にはほとんど売り切れるが、売れ残りが出そうな場合、夕方に常連客に値引きの告知メールを出し、完売を目指している。

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