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実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!

今年のおさらい:減価償却・農村社会・農機のコストを復習しよう

財務状況を読み解く力と自ら新鮮な情報を得る努力

10月より『下町ロケット』の新シリーズがテレビ放映されている。池井戸潤氏の作品は、元銀行マンの見識が盛り込まれていて勉強になる部分も多い。今回は農業機械の開発がテーマなだけに随所で突っ込みを入れたくなるのだが、マネージメントの重要性が必ず議論され、経営者が将来に向けて舵を切る場面は最高である。
とりわけ、銀行から出向している大番頭が良い場面を見せる。会社の財務状態から将来の経営計画のすべてを掌握し、社長に進言をするところだ。中小企業では、技術開発や営業などそれぞれの部署の言い分を聞きつつも、経営の財務状態を熟知している者が経営を動かすキーマンになるといっても過言ではない。
農業経営もおおかた中小企業であるから、その原則は同じはずである。昭和の食糧増産期以降、経営状態を把握するための簿記指導が盛んに行なわれた。ところが、時代の流れとともに、簿記の重要性が大きく叫ばれなくなった。教える者が減ってしまったのも理由の一つだが、パソコンや簿記ソフトが普及して計算手間が軽減し、経営管理より納税対策を重視して税理士を雇う農業経営が増え、財務状況を把握しなくてもどうにかなってしまっているのだろう。その結果、経営者が帳簿から財務状況を読み解く力が落ちていると感じるのだ。その危機感から、本連載では財務諸表の見方に始まって、複式簿記から自身の経営の実態を知る大切さを伝えてきたつもりである。
同時に、私が考える経営者の仕事にはもう一つ重要なものがある。それは、新鮮な情報を得るために、東奔西走することだ。今年は2年に一度のイタリア国際農業機械展(EIMA)の開催年で、タイミング良く仕事を一段落できたので、イタリアに農業機械の勉強をしに出向いた。

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