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実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!

今年のおさらい:減価償却・農村社会・農機のコストを復習しよう


ましてや上手にインターネット社会に順応し、生活するための仕事が成立しているなら、自然環境が身近にある田舎は生活圏としては上級の環境であろう。課題は、自動車の利用頻度が上がった結果、利用者の少ない鉄道やバス路線の維持が困難になっていることだ。政策的に新規就農者に一定期間所得を補償するより、子育て環境の整備や通信網、農道整備、生活保安に対するインフラに力を注げば、仕事があれば若者は定住し、経済活動が行なわれる。賑やかとはいかないまでもいまより経済が小さくならないようにすることが農村の生き残る道であろう。
農村社会のテーマでは「地域ブランド」の話題に触れ、地場に特産品がなければ、独自の農場ブランドで勝負するのも醍醐味だという持論を述べた。自らが農産物を有利に販売したいなら、開き直って自ら道を探す方法しかないからだ。ここでいう農場ブランドは地域ブランドに対比する意味で使ったが、農場単体でブランド化までできる場合もあれば、加工業者や販売業者と手を組んで商品化にこぎ着ける場合もある。通常は共同作業で安全性と品質を担保しているので、リスクを分担できる協力者を見つけ、自前での設備投資が過剰にならないように注意したい。
農業経営者の考え方次第でブランド化の形はさまざまに展開可能だ。一つ目の手法は生産工程にこだわりを持ち、それが価値になって商品力につながるケースである。二つ目は、商品に際立った特徴があり、市場流通では出回らない希少価値が完成しているケース。そして、三つ目が作り手のキャラクターに特徴があるケースだ。誰が作っているのかだけでお客さんを惹きつける才能があるのは羨ましく思う。私もかくいう挑戦者の一人としてあの手この手を駆使してPRを進め、奮闘している。
過去に産地づくりで活躍したリーダーには実は変わり者と言われた人も多かった。その理由は、新しいアイディアが必要とされているからだ。足並みを重視する農村集落も少しは変わりつつあり、継続的な農業経営を目指すうえで、政策や地域の慣習に従っているだけで安心という時代ではなくなっている。消費者のお眼鏡にかなう一品をつくる仕事はやりがいがある。農村の過疎にブレーキをかけるためには自分に合った経営手法で、農村が豊かになる経済活動を積極的に実践したいものだ。

農業機械の大型化では人手不足を解消できない

8月以降は研究・開発、災害レポートを挟みながら、農業機械のコストの話を取り上げた。

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