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知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ

デンマーク 持続可能な経済社会を目指す家族経営体の挑戦

スカンジナビアと呼ばれるヨーロッパ北部に位置するデンマークにも、17世紀に農民が海軍に供給するためにヘンプ栽培を奨励したという記録が残っている。現在の国土面積は日本の九州と同程度だが、ユトランド半島と大小400以上もの島々から成り立つことから、伝統的に海洋活動が活発である。17世紀には海戦が相次ぎ、海軍が拡大していた時期で、帆布やロープなどの需要が高まっていたことがうかがえる。
農業分野に目を向けると、人口約580万人の小さな国ながら、高い国際競争力を持つ養豚や酪農のほか、起伏がなく平坦(最高地点は海抜173m)な地勢と肥沃な土壌を活かした小麦・大麦等の大規模な穀物生産も盛んだ。全国に11ある農業協同組合によって、生産、加工・流通、輸出に至るまで、農家が主体的に関与した形で運営されている。なかでもデニッシュ・クラウンは豚肉の輸出量で世界第1位を誇る食肉協同組合として知られている。

ヘンプシードに注目 栽培は近隣農家と契約

デンマークでも、ほかのヨーロッパ諸国と同様に、化学繊維の台頭による需要の減少に加えて、1961年の麻薬単一条約の締結以降、ヘンプは全く栽培されなくなった。世界的に栽培が再開された後、98年から2000年に大学で試験栽培が行なわれたものの、ヘンプ栽培を推進する農家もヘンプ事業に乗り出す企業もなかなか出てこない状態が続いた。先に栽培を再開したEU圏の国々に倣って、法律でマリファナ成分であるTHC含有率が0.2%未満の品種であれば栽培できる環境が整っていたにもかかわらずである。

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