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【知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ】
デンマーク 持続可能な経済社会を目指す家族経営体の挑戦
- NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク 理事 赤星栄志
- 第12回 2018年11月30日
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農業分野に目を向けると、人口約580万人の小さな国ながら、高い国際競争力を持つ養豚や酪農のほか、起伏がなく平坦(最高地点は海抜173m)な地勢と肥沃な土壌を活かした小麦・大麦等の大規模な穀物生産も盛んだ。全国に11ある農業協同組合によって、生産、加工・流通、輸出に至るまで、農家が主体的に関与した形で運営されている。なかでもデニッシュ・クラウンは豚肉の輸出量で世界第1位を誇る食肉協同組合として知られている。
デンマークでも、ほかのヨーロッパ諸国と同様に、化学繊維の台頭による需要の減少に加えて、1961年の麻薬単一条約の締結以降、ヘンプは全く栽培されなくなった。世界的に栽培が再開された後、98年から2000年に大学で試験栽培が行なわれたものの、ヘンプ栽培を推進する農家もヘンプ事業に乗り出す企業もなかなか出てこない状態が続いた。先に栽培を再開したEU圏の国々に倣って、法律でマリファナ成分であるTHC含有率が0.2%未満の品種であれば栽培できる環境が整っていたにもかかわらずである。
ヘンプシードに注目 栽培は近隣農家と契約
デンマークでも、ほかのヨーロッパ諸国と同様に、化学繊維の台頭による需要の減少に加えて、1961年の麻薬単一条約の締結以降、ヘンプは全く栽培されなくなった。世界的に栽培が再開された後、98年から2000年に大学で試験栽培が行なわれたものの、ヘンプ栽培を推進する農家もヘンプ事業に乗り出す企業もなかなか出てこない状態が続いた。先に栽培を再開したEU圏の国々に倣って、法律でマリファナ成分であるTHC含有率が0.2%未満の品種であれば栽培できる環境が整っていたにもかかわらずである。
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赤星栄志 アカホシヨシユキ
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク
理事
1974(昭和49)年、滋賀県生まれ。日本大学農獣医学部卒。同大学院より博士(環境科学)取得。学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て様々なバイオマス(生物資源)の研究開発事業に従事。現在、NPO法人ヘンプ製品普及協会理事、日本大学大学院総合科学研究所研究員など。主な著書に、『ヘンプ読本』(2006年 築地書館)、『大麻草解体新書』(2011年 明窓出版)など。 【WEBサイト:麻類作物研究センター】http://www.hemp-revo.net
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