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土門「辛」聞

農水省課長とのやりとりで垣間見た統計部の深刻な病巣


拙稿に対する粗探しは荒っぽすぎた。最初に指摘したのは、51ページの「統計部は、15年3月に調査方法を変えている」という部分。窪田課長は人が悪いというか、最初から西暦と元号を取り違えたうっかりミスであることに気がついていながら、鬼の首でも取ったように「間違っている」と指摘してきた。あまりにも失礼な言い方をしてきたので、つい「それが記事の本質と何の関係があるのか。あるならきちんと説明してみろ」と声を荒げてやると、とたんに黙り込んでしまった。
その態度でエンジンがかかった。そうなると売り言葉に買い言葉、「ほかに間違いはあるかい」と挑発してやった。待ってましたとばかりに持ち出してきたのが、52ページの「登熟歩合」の調査方法についての記述。皮肉なことに、その指摘は窪田課長にとって墓穴を掘ることになる。
電話でのやりとりでも、窪田課長が作況調査の実務に通じていないことが何となく分かった。現場のことを正確に理解しているとは思えなかった。いくら質問しても要を得た回答が戻ってこないからだ。そんなことから、その日の電話のやりとりは6回ぐらいに及んだか。取材の途中、失礼とは思いつつ、「部下に聞くだけでなく、自分の頭で考え、ときには省内の関係部署にもアドバイスを求めてみることだ」と諭してやることもあった。

でっち上げ論法で記事否定

窪田課長とのやりとりでのポイントは、調査法が「歩留まり」を考慮しているかどうかという点。この場合における「歩留まり」とは、「稔実歩合」と「登熟歩合」の2点になる。時系列で説明すると、まず稲に実がなる稔実があり、次いでその実が充実して米粒になる登熟へと続く。「歩合」というのは、前者が調査対象としたすべてのもみ数との比率、後者は同じくすべての玄米数との比率のことである。
作況調査で果たす役割は、前者が収穫予想、後者は収穫結果の予測につながる資料ということである。
本論に入る前に専門用語をあらためて確認しておこう。作況調査には「基準筆」と「標本筆」という用語が出てくる。筆は圃場のこと。基準筆は、地域の代表選手のような生産者の圃場から農水省が選び、全国に551筆。一方の標本筆は所ジョージの「日本列島ダーツの旅」のように無作為で選んだ圃場で全国に1万178筆。作況調査の基礎資料となるのは主としてこちらの方だ。数字はいずれも2018年産。
さて前置きが長くなった。窪田課長から「間違い」と指摘を受けたのは、この記述。

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