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土門「辛」聞

農水省課長とのやりとりで垣間見た統計部の深刻な病巣


「『登熟歩合』の実測は、基準筆に適用していても、標本筆には適用していない。手抜きの欠陥調査だということが裏付けられたことになる」
これに対する窪田課長のクレームは、「登熟歩合」は、「標本筆にも適用しているので、記述は間違っている」というものだ。一瞬「間違ったかな」と思った。いったん電話を切り、作況調査の調査員が手にする「標本(基準)筆調査票」(調査票)を確認してみたら、すぐ窪田課長のでっち上げに気がついた。確かに「登熟歩合」は、標本筆にも適用されているが、それは収穫後の刈り取り調査が対象だ。そう反論すると、今度はこう言い返してきた。
「9月15日時点は、調査対象の3割は刈り取り調査の対象となっているので、標本筆でも『登熟歩合』は調べている」
11月号では、9月15日時点での作況指数が実態とズレがあると指摘していた。その時点での作況指数は、収穫予想になる。従って、その時点では「登熟歩合」のことは対象にはならない。対象となるのは、収穫結果の予測につながる収穫後の刈り取り調査のときだ。どうやら窪田課長は刈り取り前の収穫予想と混同していたようだ。

虚偽文書で自ら墓穴を掘った

窪田課長が墓穴を掘ることになったのは、標本筆への歩留まり調査の証拠を求めたときである。当初、部下が作成したと思われるメモを電話口で読み上げてきたが、早口なのと専門用語がやたら多いので聞き取りができず、FAXで送ってくれるよう注文した。当初、送付を渋ったが、要求に応じてくれた。タイトルは、「水稲作況調査9月15日現在の『千もみ当たり収量』の予測について」。FAXの最上部に発信時間と発信先の「生産流通消費統計課」の名前がある。そこには以下のように書かれていた。
9月15日現在の水稲作況調査では、刈り取りが3割弱であるため、刈り取りのできないところ(7割)は、登熟状態を総括的に示す指標として用いている「千もみ当たり収量」について、予測式を作成して予測をしているところ。
この予測式については、各県で事情が異なることから各県ごとに作成しているところ。今年の9月15日現在の「千もみ当たり収量」の予測式の一例を挙げると、以下のような説明変数を使用した回帰式で予測している。
(説明変数)
・1平方m当たり全もみ数
・沈下もみ数歩合
・10a当たり平年収量
・出穂前20日間の平均気温
・出穂後40日間の平均気温

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