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今年の市場相場を読む

秋から冬に向かう重量野菜の動向 ハクサイ/ダイコン/ニンジン/キャベツ

秋から冬にかけてのこの時期は、野菜の分野でいえば、とりわけ生育期間がかかる重量野菜、大型野菜の生産・流通の見通しを検討しておくことが求められる。今年の夏は、大型野菜を中心に入荷が少なく、夏場にはここ数年来では珍しく相場が高騰した。それが9月の下旬には平年並みに緩和した。ただし、10月から11月中旬にかけての秋から冬に向かう時期、16年は野菜平均単価で340円と大暴騰したが、翌17年は生産・出荷量が増えて単価180円と暴落した(過去5年の平均単価240円)。今年は9月下旬以降は16年と17年の中間程度で推移してきたが、さあどうなるのか。

ハクサイ 家庭用は鍋用野菜に特化。寒干し提案もしてみては

【概況】
東京市場におけるハクサイは、年明けには入荷少なく高騰していたが、夏場には入荷数量も減らず、例年通り60~70円の推移。9月には入荷が増え始め安くなるはずだが、今年は8月に茨城産の残荷が少なくほとんど長野産の独壇場だったため、8月は前月より6割も高く126円、9~10月の入荷量は前年並みに戻ったが、100円を切らない高値推移が続いた。11月上旬には72円まで下げたが、年末に向けては強含みか。
【背景】
冬の大型・重量野菜、というより重要野菜ともいえるのがハクサイである。キムチとして年間通して購入している人も、冬には家庭での鍋の具として間違いなく購入し消費する。30~40年前までは一般家庭でも生で購入し自家製漬物として利用されていたハクサイは、いまや鍋用野菜に特化してきた。高くても安くてもその都度、必要量を購入するだけの品目になっており、消費の弾力性は低い。そのため入荷の増減が相場に敏感に反映される傾向が強い。
【今後の対応】
これからのシーズンは茨城産が中心で、寒さも強まり貯蔵性も出てくるため、産地としては100円を切らない相場調整をしたいはずだ。しかし17年は、即売産地である長野産が11月にも前年の2倍も出荷されていたため相場の足を引っ張った。今年の冬は、数量は問題ないが、高値推移傾向が続きそうだ。昨年には長野、群馬などが霜降りハクサイなどと寒締めをウリにしていた。一般家庭でも寒い時期の寒干しを提案してみてはどうか。

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